第2692話 ミノムシ先生

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172 :本当にあった怖い名無し:2012/02/23(木) 22:32:26.35 ID:xRLYDPiN0
久びさに実家に帰ったときに母親から不可解な事実を聞かされた。
小さい頃の俺が病んでただけかもしれんがとりあえず書いてみる。
精神医学とかにも詳しい人がいたら解説お願いします。
176 :本当にあった怖い名無し:2012/02/23(木) 23:16:37.54 ID:xRLYDPiN0
たいしたオチでもないが良かったら聞いて欲しい。

小学校入学前、いつも近所の公園で暗くなるまで遊んでた。
友達とドッジボールをしたりかくれんぼをしたり。

小さい頃の俺はいろんな図鑑を読んだりして
幼稚園の先生からは「物知り博士」と呼ばれてたっけ。
特に昆虫や植物の世界では大人顔負けの知識を誇っていた。

そんな俺でも敵わない相手がいたんだよなぁ。
2つくらい年上でメガネをかけてた男の子。
風貌はのび太みたいだけどとにかく博識で
「物知り博士」の俺が知らないことまで
昆虫のことならなんでも知っていた。
俺はその子のことを「ミノムシ先生」って呼んで兄のよう慕ってた。
ミノムシの生態を教えてもらって俺が感動したからそう呼んでた。

俺は仲良くしてた友達の集団を離れ、
「ミノムシ先生」と二人で暗くなるまで公園でいろんな話をしていた。
俺が小学校に上がった頃「ミノムシ先生」は遠くの町に引越したんだっけなぁ・・・

177 :本当にあった怖い名無し:2012/02/23(木) 23:21:11.00 ID:xRLYDPiN0
先日、出張のついでに実家に戻り本棚を整理してたら
俺が愛読してた昆虫図鑑が出てきた。懐かしくなって時間を忘れて読みふけってしまった。
小さい頃の記憶がよみがえってくる。
「そういえばミノムシ先生どうしてるかなぁ。もう結婚して子供もいたりするかなぁ」

夕食時母親に何気なく聞いてみた。
俺「そういえばミノムシ先生っていたよね、今頃どうしてるんだろー?」
母親が怪訝な顔をする。
俺「よく公園で遊んでたやん。どこに引越したんだっけ?案外俺の近くにいたりして」
母親の顔が曇る。
母親「あんた・・・まだそんなこと言ってるん?そういえばこの話はしてなかったっけ??」

そのあと母親の話を聞いて俺は頭の中が真っ白になるくらい混乱した。

178 :本当にあった怖い名無し:2012/02/23(木) 23:25:38.06 ID:xRLYDPiN0
母親の話を要約すると次の通り

・俺は母親にミノムシ先生のことをいつも話してた。
・あるとき遅くまで帰ってこない俺を心配して公園に迎えに行った
・母親は俺が「ミノムシ先生」と楽しく遊んでるものと思ってた。
・母親が公園まで迎えに行ったとき、俺は薄暗い木下で楽しそうに1人ごとをつぶやいていた
霊と話でもしてるような異様な光景だったらしい。
・心配した母親は俺を病院に連れて行ったが異常はなかった。
(ちょっと前に俺が高熱を出してたらしく脳の障害を疑ったらしい)

俺の頭の中にはしっかり「ミノムシ先生」と遊んだ記憶はあるはずなのに
実際はぽつんと公園で1人ごとをつぶやいてたなんて・・・
母親が嘘をついてるようには思えないし言ってることは事実なんだと思う。
幼少時代の俺は高校生の姉が持ってた文庫本を読みこなしてた。
昆虫以外にも新聞の世界情勢に興味を持ち、主要国の政治・経済のデータはだいたい頭に入ってたりと・・・
とにかく変な幼稚園児だった。近所の人からは「東大にいける」「神童」と呼ばれてたりしたけど
その後平凡な私立大学を卒業し今では普通のサラリーマン。
ちなみに霊感なんて全くないし友人からは素晴らしい鈍感力の持ち主だと言われてる。

冷静に分析すると当時、友達からいじめられていた俺は1人の世界に入り込むことが多かった。
もしかしたら辛い現実から逃げるために・・・目の前に架空の友達を作り出してたのかもしれない。

179 :本当にあった怖い名無し:2012/02/23(木) 23:32:00.73 ID:xRLYDPiN0
文章にすると大した話ではなかったかもしれないが
26歳までミノムシ先生を実在の人物と記憶していたこと・・・
それが自分にとって衝撃的だった。
幼少時にこんな心の闇を抱えていたなんて・・・

長文でスレ汚し失礼しました

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『第2692話 ミノムシ先生』へのコメント

  1. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/02/24(金) 09:39:22 ID:f2135330e

    守護霊とかご先祖霊とかだったのかなぁ?

  2. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/02/24(金) 12:27:16 ID:6a3e8a650

    俺も似たような経験あるな。
    ただ理由は後になってはっきりしたが。
    小さい頃病弱だった上、家の事情で伯母さんの家に預けられてた時期があったんだけど
    その頃の記憶で、自分の両親とも伯母さん関連の人たちとも違う
    若い父親と母親、そして当時の俺より少し小さな子供という構成の一家と共に
    動物園、遊園地、海… いろんな場所に遊びに行った記憶があった。
    大人になってからふと思い出し、母親に訊いてみたが分からないと言う。
    数年前、長い事東京の病院に入院していた伯母さんが亡くなり、
    当時のその家が取り壊されるというので俺はバイクを飛ばして見に行った。
    どこにでもあるような木造モルタルの二階建てで、
    家の外観にはあまりピンと来るものが無かったが、家側面の2階の窓に、
    あそこから外を眺めていた記憶が何となく蘇った。
    当時の自分はどんな景色を見ていたのだろうと窓の向かいの方向を見ると、
    空き地を隔てて数十メートル離れた位置に工場の建物の高い壁があり、
    そこには一面にタイルで絵が描かれていた。
    ぼろぼろに剥がれて所々灰色のコンクリートが露出していたが、
    海と、水色の空、白い雲。様々な動物たち。
    それらを背景に、紺色のシルエットで描かれた父親と母親、
    そして楽しげにどこかを指さす小さな子供の姿…
    例の記憶は、殆どの時間を部屋で過ごしていたであろう当時の俺が
    窓から見えるそれらを元に作り出した妄想の記憶だったのだと
    自分の中で全てが繋がった。

  3. 名前:名無し 投稿日:2012/02/24(金) 12:48:38 ID:1b50f69ae

    文章、というか説明力すごいね。なるほどと思ったよ。

  4. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/02/24(金) 20:20:13 ID:b49a38495

    脳の仕組み、てか子供の想像力って凄いのな。
    元の話より面白かった。
    ありがとう。

  5. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/02/24(金) 20:30:36 ID:9576902c5

    切ない・・

  6. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/02/24(金) 22:37:15 ID:5d576bc03

    すごいなあ。私もイマジナリーフレンド一人くらい欲しかった。

  7. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/02/25(土) 02:07:19 ID:9189bc31c

    実は、薄暗い木の下で楽しそうに独り言を呟いていたとき、彼の視線の先には一匹のミノムシがぶらさがっていたのでした…

  8. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/02/25(土) 09:58:31 ID:14f3a80dd

    そのまま頑張って昆虫博士の道を進んでいれば日本のファーブルや南方熊楠みたいな天才学者になれたんじゃない?
    っていうか今からでもそっちの道に軌道修正してみたら?

  9. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/02/25(土) 10:02:51 ID:b98b81545

    「13年後にまた逢おう。いつもの公園の木にぶら下がっている一匹のミノムシが私である」

    とか言われてたらカッコイイな

  10. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/02/25(土) 23:14:38 ID:f4de0f274

    大人になって振り返る子供の頃の思い出の中に、実際には存在していなかった友達や体験していなかった出来事が紛れ込んでいた…
    なんてショックだ。

  11. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/02/25(土) 23:17:22 ID:f4de0f274

    うわぁぁぁっ!
    か…悲し過ぎるよぉ~。

  12. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/02/27(月) 20:26:07 ID:5c53de50a

    本題は典っ型的なイマジナリーフレンドだったが、米欄でとてつもなく胸を打つ話を読ませてもらってしまった。
    感動した。

  13. 名前: 投稿日:2012/02/29(水) 11:06:55 ID:424384a16

    米欄込みでしんみりした話のカテゴリーで殿堂入りやな

  14. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/03/01(木) 08:13:56 ID:a7a706229

    ワロタWWW

  15. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/03/10(土) 00:29:13 ID:c47509dd0

    ほんと切ない(´;ω;`)

  16. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/03/10(土) 00:37:01 ID:c47509dd0

    そういう実際には存在してない思い出で、幼い頃の傷を癒しながら生きてきたんだなあって・・・
    なんかすごく考えさせられた

  17. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/03/13(火) 01:44:28 ID:8d5131d0f

    「じじ犬」のようにミノムシとしゃべれるほのぼのした話なのかと思ったら違った…

  18. 名前:L 投稿日:2012/04/04(水) 21:18:40 ID:19ec27b36

    多分 幼少時の昆虫の生態や 社会情勢の承知の記憶も 後日後年の記憶の擦り合わせだと思います。

  19. 名前:  投稿日:2012/04/08(日) 20:45:37 ID:1a774619b

    イマジナリーフレンド100人できるかな?友達100人より価値有りそうだぜ。

  20. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/05/08(火) 14:21:54 ID:e7d1425b5

    まだ蛾になってないの?

  21. 名前:厨二 投稿日:2012/06/04(月) 18:18:40 ID:8f1ce8cc1

    なにしろ「イマジナリーフレンド」って名前がカッコイイからなw

  22. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/06/16(土) 03:31:56 ID:c2bf95f84

    アイアムアヒーローの鈴木みたいだ。
    「俺君、ひとり言やめて」

  23. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/08/24(金) 16:29:30 ID:9ce6a1684

    ミノムシ話も好きだし、このコメントの話も最高に切なくて好き。殿堂入りしてほしいなあ。

  24. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/11/12(月) 14:18:11 ID:719c5a992

    イマジナリーフレンドだったとして
    当時凄い博識で神童と呼ばれてた
    ってところまで含めて幻想だったんだろうか

    何か当時頭良かった証拠が出てくればまた話が変わってくるんだけどな

  25. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2013/02/02(土) 23:46:04 ID:d11a1a0c3

    脳内友人が自分の知らないことを知ってたりするのかね?
    その辺も記憶が都合よく修正しているのか。

  26. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2013/05/31(金) 15:02:54 ID:ca31836d4

    あぶな。
    バラード聴きながら読んでたらコメ欄で泣きそうになった。
    スクルトかけとこ。

  27. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2013/06/09(日) 20:19:42 ID:b5a16ed57

    ミノガのメスは蛾にならないのだよ
    …そういう話じゃないか

  28. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2013/06/14(金) 16:33:20 ID:6c2e2f0a3

    「イマジナリーフレンド」としか言い様がない

  29. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2013/08/21(水) 12:19:47 ID:37ebaca54

    当時はちゃんと居たんじゃないかな
    で、シャナのトーチみたいに段々存在が薄れていって、最終的にはこのサイトのページですら消えてしまう

  30. 名前:名無し 投稿日:2014/03/16(日) 23:15:52 ID:9f73a7e59

    管理人さんが困るねw