第3364話 かくれんぼ

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226 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/25(水) 19:00:40.20 ID:l+s5rcaX0.net
十年くらい前、俺は田舎も田舎、家が山に囲まれてるようなところに住んでたんだ。
山の頂上付近に俺んちが所有してる畑があって、別に農家とかじゃなくて自分ちで食べる分だけ作るみたいなちっちゃい畑な。
盆地だったんだけど、ちょっと脇道に入ると林の中とか山道(もはや獣道)につながってたんだ。
もちろんコンビニなんてなかったし、遊び場といえば近所の寺の境内か近所の神社周辺の森?林?だった。
当時から幽霊の存在とかそういう非科学的なことは信じてたけど、一切見たこととか感じたことはなかった。
いわゆる零感だな。
家から100メートルも離れてないところに墓があったけど、小さい頃はそういうところで弟たちとかくれんぼとかして、
遊び場にしてた。
成仏されたやつなんだからどうせ出ないとか思ってたからな。
で、神社にもよく遊びに行ってたんだが、小学校から帰って来て、弟と一緒に神社周辺の森の中に遊びに行ったときだった。
森の中には俺たちが遊んでできた道とも呼べないような獣道ができてたんだが、ご神木がいくつかあって、主にそれを目印に森の中を歩いてた。
鬼ごっことかかくれんぼとかを弟2人と遊んでたんだけど、かくれんぼで俺が鬼になってゆっくり10数えたとき、
それまで聞こえてた、風で木葉が擦れる音とか、鳥の鳴き声とか虫の声がピタッと止まったんだ。
「何か変だ」と思いながらも、隠れた弟を見つけるために、弟の名前を叫んだ。
かくれんぼなんだから呼んでも返事なんてするわけないんだけど、そのときは音が止んだことが不安で不安でそうしたんだと思う。
で、弟がいつも隠れていそうなところを探すんだけど、いつもは結構簡単に見つかるのに、なかなか見つからない。
どっちも見つからないなんてことは今までなかった。

227 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/25(水) 19:01:41.77 ID:l+s5rcaX0.net
ついに諦めて、「どこにいるか分かんない!ヒント!」と叫んだ。
これはいつもどちらかが見つからない時に、ヒントとして手を叩いてもらって大体の場所を把握するための兄弟の中での合図みたいな
ものだったのだが、それでもなんの反応も帰ってこない。
弟がからかっているんだと思った俺は、もう夕暮れ時であったこともあり、「出てこないとおうちに帰っちゃうから!」と叫んだ。
弟は俺にすごく懐いていて、弟が俺と一緒に帰らないなんてことはありえないことだったから、こうすれば何が何でも出てくるだろうと思ったんだ。
でも、やっぱりなんの音もない。
もしかして弟は俺を置いて2人で帰ってしまったんじゃないか?
普段は絶対ありえないことだったが、自分が立てる音以外なにも聞こえない空間で不安が募り、そう考えた俺は、それなら俺もとっとと帰ってやると帰り道を歩いた。
でも、異変にすぐに気が付いた。
目印にしているご神木があるって言ったよな。歩いても歩いてもおんなじご神木が目の前に現れるんだ。
ぐるぐる回ってる!?と思ってひろった石でご神木以外の木に目印として傷をつけながら歩いたけど、やっぱり同じご神木が見えてくる。。
しかも木に付けたはずの目印の傷が消えてる。
ここまで結構な時間が経ってて暗くなっててもおかしくないのに、ずっと夕暮れが見えてる。
怖くなって、なんとなくご神木の近くなら安全だと思って、それからはかなり長い時間ご神木の木の根元に立ったり座ったりしてた。
相変わらず自分がたてる音以外は何も聞こえないし、虫も一匹も見当たらない。蟻一匹いなかった。
恐怖で泣きだした時、自分が座ってご神木の反対側から、何かが落ちるようなトサッという音がした。
急な自分以外の音にかなり驚いて、喉がヒクッて鳴ったのを覚えてる。
大人が3人くらい手を広げてやっと囲めるくらい大きなご神木だったから、振り向いたところで何も見えなくて、恐る恐る反対側に回ってみたら、
黄色っぽい白っぽいクリーム色?の狐がいて、俺をじっと見つめるのな。
野生の狐なら何回か見てたから、その狐が普通の狐よりちょっと大きいなって分かった。

228 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/25(水) 19:02:50.35 ID:l+s5rcaX0.net
まだ小さかったし、牙のある動物に森で出くわしたってことにかなりビビった俺は狐の目を見ながら後ずさった。
一応熊がよく出る地域だったし、家でも学校でも出くわした時の対処法として目を見ながら離れろってことは教わってたからな。
背を見せて逃げたらだめだって。幼いのによくできたとあのころの自分を褒めたいよ。
だけど、その狐は襲い掛かってくる様子もなく、軽やかな足取りでご神木をぐるぐる回り始めた。
意味が分からなくてそれを目で追ってると、何週目かで回るのをやめて俺が歩いてた獣道を歩きだした。
ホッとしていると、狐がある程度まで歩いたところで止まって、俺を振り返ってみていた。
尻尾をゆらゆらと揺らしてずっと見ていた。
それが、飼っている犬が俺が追いつくのを待っているときにそっくりだったから、衝動のままその狐に近づいた。
ある程度近づくと、狐はまた先へ進み、同じように俺を振り返った。
ついて来いと言われているような気がして、戸惑いつつもその狐についていくと、また見えてきたご神木に近づいたとき、急にあたりが真っ暗になった。
驚いたが、そこが神社の境内だと気付いて、すごく安心した。
同時に、俺がいなくなったことで弟が呼びに行っていたらしい母が「○○くん(俺の名前)!!」という言葉とともに俺を抱きしめてくれて、探してくれてたのかと分かったのと、恐怖から解放されたのとでわんわんないた。
先を行っていた狐はいつの間にかいなくなっていたが、次の日の朝、神社の神主の息子(友達)から、一つのご神木を囲むように、首を噛まれて死んでいた5匹の狐が見つかった。
と聞かされて、もしかして自分はその5匹に化かされていて、あの狐が助けてくれたんじゃないかと思った。

229 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/03/25(水) 19:05:31.85 ID:l+s5rcaX0.net
つい先週、春休みで実家に帰ったときに家の近所にある林の中でその時の狐にそっくりな狐を見かけたから、
この体験を思い出したことを誰かに聞いてもらいたかったんだ。
当時母にだけ話したつもりだけど、文章力が拙かったこともあってなんかよく分かってもらえなかったから、記憶は鮮明に残ってるし、
今なら文章に起こせると思って、ここに書き遺した。
自分が体験したことをどこかに残したかった、俺の自己満足だ(-_-;)

スペースかなりつかってしまって悪いm(__)m
俺の駄文を読んでくれた人、どうもありがとう。

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『第3364話 かくれんぼ』へのコメント

  1. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2015/03/26(木) 14:13:34 ID:e5500d796

    良い狐と悪い狐?

  2. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2015/03/26(木) 15:57:28 ID:9f1e0ff3a

    森の主かな。
    臨場感あって良かった。貴重な体験を書き込んでくれてありがとう。

  3. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2015/03/26(木) 19:06:27 ID:7f682d1a0

    「ご神木がいくつかあって」ってさらっと書いてて吃驚したが、そういうもの?

  4. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2015/03/26(木) 19:22:52 ID:e5500d796

    そういうものだよ。

    自分が生まれる前から在る巨木、
    家を建てる前から在る巨木、
    集落が出来る前から在る巨木…
    皆 昔から大切に敬い
    巨木も人や動物達を見守ってきたものさ。

    地主の息子が森を切り開いてマンションを建てた、
    駐車場脇に残された神木からの
    虫の糞やら落ち葉の苦情で遂に伐り倒してしまったよ。
    余所の土地から越して来た住民の
    たった数台の車の汚れを理由にね。
    地主の息子は精神を病み、車のオーナー達は事故に遭った。

    そういうものだよ。

  5. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2015/03/26(木) 21:49:57 ID:7f682d1a0

    また適当な事言ってるな
    祟りがあったから神木だと?記事の趣旨とまるで反対じゃないか。主は神木とやらにモロに傷を付けちゃっておきながら、崇りに遭うどころか狐に助けられて帰ってきたっていうんだぞ。「神木を切ったら病んで死んだ」みたいな話するんなら、「そういうものじゃない」って結論じゃなきゃおかしいだろが。

  6. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2015/03/27(金) 00:28:55 ID:e9f346bff

    ご神木には傷つけてないと思うが

  7. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2015/03/27(金) 00:43:33 ID:0c4944378

    せっかく久しぶりに面白いいい話なのにまたどうでもいい話で荒れだすし

  8. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2015/03/27(金) 01:19:24 ID:7dc715207

    “神木以外の木”だよ。二番目の書き込み。
    自分の読みたいように読んじゃだめだ。あやしいと思ったら、再読精読を心がけよう

  9. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2015/03/27(金) 02:29:48 ID:f4e8d184b

    不思議だなぁ。
    狐の数が多いほど化かす力も強くなるんだろうか。

  10. 名前:名無し 投稿日:2015/03/27(金) 04:22:29 ID:32108e241

    狐の数が多い程術の力が強くなるって面白い
    し、何だか納得する

  11. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2015/03/27(金) 05:45:14 ID:7a5d5c6c4

    何かの儀式の最中だったのでは?

  12. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2015/03/29(日) 15:43:36 ID:d8f3c8af9

    最近一人荒らしたがりがいるな

  13. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2015/03/30(月) 19:40:53 ID:cd3c93eb0

    助けてくれた狐は山の主か神様のお使いかな
    こういう体験貴重だよね

  14. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2015/03/31(火) 11:28:34 ID:94bb3bba5

    キツネかわいい

  15. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2015/04/06(月) 18:50:49 ID:cdf0787b8

    お狐さんに助けられたんだね…お礼参りしたのかな?

  16. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2015/05/03(日) 12:41:52 ID:b1efeecdc

    「神木以外の木なら傷つけても平気」みたいな認識の違和感も凄いんだけど

  17. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2016/07/20(水) 16:47:13 ID:81f77bac3

    ※16
    どうせ傷つけなきゃいけないなら神木だけはやめておこうってことだろ
    なんでそんなネジ曲がった読み方すんだよw

  18. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2016/07/20(水) 23:24:14 ID:3812b0148

    木に傷をつけるより他に目印の付け様がいくらもあるだろう
    ※4みたいな流れだったら、他に方法あるのにわざわざ木に傷とはってならなきゃ嘘でしょ