第2610話 図書室の本

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187 : 忍法帖【Lv=14,xxxPT】 :2012/01/13(金) 14:24:13.95 ID:9pOh+MGI0
ふたつめ、俺の高校に通ってた頃の話。
遅くきた中二病だった俺は一時期図書室に通っていた。
放課後にふらりと図書室に入る→人気があまりない棚に近づいて適当な本を物色する。
毒物とか薬物、宗教、タイトルがかっこいいなど、全然興味ない本を手にしてざっと目を通し、
しばらく考えるそぶりをして似たジャンルの本を数冊手に取り貸出カウンターに向かう。
もちろん借りるだけで読まなかったが
当時は「関連性のない雑多なジャンルの、しかも専門分野に特化した本を読む不思議な生徒」に
なりきっているつもりだった。

しかしある時、そんな感じで適当な棚に行って適当な本を手に取り、パラパラと開いたところ
ポストカードが挟まっているページにとまった。
それは美術館とかで売ってそうな、花の絵をポストカードにしたような感じだった。
そんなにふるぼけてはいない。
前に読んだ人間が栞代わりに使ってたのかと思ってその本は棚に戻した。
ちょっと現実に戻されて興を削がれた俺は仕切り直そうと思って
別のジャンルの棚に移動し、また適当な本を手にした。
その本にもポストカードがあった。今度はちょっと古そうな感じのものだった。
絵柄は覚えていない。
二回続いたことが不気味に感じたのでその日は何も借りずに帰った。

188 : 忍法帖【Lv=14,xxxPT】 :2012/01/13(金) 14:25:33.58 ID:9pOh+MGI0
次の日は図書室に行く気がしなかった。
週末を挟んで、ただの偶然だと思うことにしてまた図書館に向かった。
最初に花のポストカードが挟まってた本を確認してみた。ポストカードはまだあった。
次の本も確認してみた。ポストカードはなかった。
その辺の本を何冊か見てみたがポストカードはなかった。
もしかしたら2枚目のポストカードは自分の勘違いだったと思うことにして
また適当な本を探しに行った。
そのときは色々考えた末に宇宙とかその辺のジャンルの棚についた。
目にとまった本を開くと、最初に開いたページにまたポストカードがあった。
これは裏になにも描かれていない真っ白なものだった。
不気味に思って全く別の棚にむかい、本を開いた。
今度はポストカードはなかったが、最後のページにセピア色の写真があった。
何回か折られたみたいで折り目がいくつもついていてボロボロだった。
花がいっぱい映っていて、多分花畑だと思う。
真ん中に一人、おそらく女の子が映っていた。
あんまり特徴が無い写真で、後ろに何が書いてあるわけでもなかった。
最後のページについてる貸出記録には20年以上前の日付がひとつあるだけだった。
俺はこれに懲りて図書館に通うのをやめた。
俺は適当に本を開いてただけなんだけど、誰かの意志でやらされてたんだろうか…w
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『第2610話 図書室の本』へのコメント

  1. 名前:名無し 投稿日:2012/01/13(金) 19:13:06 ID:fdd9d1b6b

    20年以上もその本はそこにありつづけたのか…すごいね。でも何がエニグマなのか分からない。

  2. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/01/13(金) 20:36:17 ID:75d020aa2

    ポストカードの存在が、エニグマの肝と思うけど。

  3. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/01/13(金) 21:00:16 ID:7d2d85b54

    きっと何年か周期で似た様な思考パターンの厨二病患者が現れて、その中の何人かがポストカードを仕込んだんだろう。
    で、少なくとも20年ほど前から、その伝統の厨二芸は続いていたと。

  4. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/01/13(金) 21:20:52 ID:544a20b32

    何歳なのか知らないけど高校を卒業したあとであろう今でも厨二病なところがエニグマ

  5. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/01/13(金) 21:24:39 ID:cbc1a0a7f

    中二病が抜けてないというオチがついたな

  6. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/01/13(金) 21:34:07 ID:4041b4e44

    それ思った
    今も中二病っぽいよね

  7. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/01/13(金) 22:17:15 ID:0cbf7edd2

    ほんものの厨二病だったら、
    「フッ、またヤツからメッセージが..やっこさんもしつこいぜ..」
    と肩をすくめる.
    くらいマジでやないと。主は甘い厨二病。

  8. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/01/13(金) 22:43:18 ID:a5bbf5ab8

    内田善美(著)「空の色ににている」のもじりネタだな。

  9. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/01/14(土) 11:54:57 ID:e79f8efc3

    最後の行は厨二病全開だった当時を自嘲しての発言だろ

  10. 名前:名無し 投稿日:2012/01/14(土) 15:24:23 ID:50863e6d1

    最後の一言は別に厨二病ではなくただの考えすぎだと思うw

  11. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/01/14(土) 16:29:46 ID:f5db355f8

    図書館員的には、大切な常連客をこんな風に逃がさないために
    しっかりと返却本のチェックをしよう、という教訓話ですね。
    異物を挟んだままだと本も痛むし、ハガキとか個人情報が記載されてるし。

  12. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/01/14(土) 23:17:11 ID:022c9fbe4

    図書室なのか図書館なのか。

  13. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/01/14(土) 23:37:35 ID:8347be283

    ここ高二病やべえwwwwwww

  14. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/01/22(日) 09:05:18 ID:bb10e8481

    厨二病気取りたいのに本のポストカードでビビるとはまだまだだなww

  15. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/06/30(土) 23:44:03 ID:af37807c0

    本を借りても読まないとか意味わからん

  16. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2013/05/29(水) 08:45:22 ID:6c0ae3fb0

    考えるそぶりww
    飾ってるけどアホ丸出しw投稿者みたいな人間すきだわーw

  17. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2014/01/23(木) 18:25:12 ID:630a75442

    なんとなく耳をすませばを思い出す

  18. 名前:名無し 投稿日:2014/02/13(木) 23:52:15 ID:414f73309

    図書室の話なら、もっとメルヘンチック(?)だけど「第195話 本の中のメモ」も、悪意のない話に癒されたい人にはオススメ。

  19. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2014/10/09(木) 15:25:14 ID:a3c2dfc60

    >当時は「関連性のない雑多なジャンルの、しかも専門分野に特化した本を読む不思議な生徒」に
    なりきっているつもりだった。

    わかるわーw
    たまたま自分は興味ある分野を読みたい気持ちのほうが大きかったからやらなかったけど、
    重い本を持って帰る根性を持って、あと一足踏み出せてればやってた。
    いい思い出だね。

  20. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2015/03/01(日) 16:23:04 ID:1f0b80b5d

    厨2はどうでもいいけど自分の身に置き換えてみたらけっこう怖いよこれ

  21. 名前: 投稿日:2015/08/17(月) 16:39:24 ID:5e0232c76

    以前に図書館の本に何か挟むのが流行ったとかじゃ?
    ポストカードと写真の関連も不明だし