第616話 キャンプにて

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113 :本当にあった怖い名無し[sage] :2005/09/20(火) 04:31:51 ID:gPdJaYz10
おれも山関係だが山スレ見つからんので。

この夏家族で北東北のとある場所にキャンプに行った。
その県の最高峰に連なる山脈の山裾で、まるっきり人里からは
隔絶されたロケーション。
それにキャンプ場といっても管理人はおらず、林間のテントサイトには
街灯なども全くない。夜は本当に真っ暗闇になる。

ある晩、子供が眠ってしまった後、テントの外でかみさんと話してた。
ガスカートリッジ式のランプの明かりのみで、あたりは闇。
かみさん、突然こんなことを言い出した。

「今朝4時ごろ、テントの外を赤い光が通ってった」

まだ真っ暗な時間だ。なぜか急に目が覚めたんだそうだ。
そのとき、おれが寝てる側のテントの壁に、直径10センチぐらいの
赤い光が映っているのが見え、それはゆっくり左方向に移動して行ったという。
光源はあきらかに外で、光はテントの生地を透過して見えたそうだ。

「車のテールランプみたいだった。でも音はしなかったし…」

テントサイトには車が入れるようになっているし、確かに方向的には
そっち側(光が見えた側)の芝草に車の轍がついて道になっている。
つまり、ここまで入ってきた車があったならばそこを通るはずだった。

114 :本当にあった怖い名無し[sage] :2005/09/20(火) 04:32:52 ID:gPdJaYz10
「やっぱり車だったのかな…」
「光、途中で途切れたか?」
「ううん、ずっと見えてた」
「じゃ、ぜってー車じゃねえよ。だってテントのすぐ脇に木が立ってんじゃん!」

かみさん絶句。

テントから木の幹まで50センチぐらいしかない。
そのわずかな空間を、赤い光は通っていったことになる。
それでちょっとブルっと来たわけだが、そのときふと問題の木の向こう側に
視線が行ったんだ。そしてその瞬間、全身の毛が逆立った。異常なものが見えたんだ。

そこにはうちの車を停めてあったんだが、
そのすぐ後ろの闇を、薄ぼんやりした白い下半身が歩いていたんだ。
半透明の「薄ぼんやり」じゃなくて、真っ白だがわずかな明かりだから
くすんで見えるって感じ。
しかもそれがやけに小さい!車のタイヤの半分ぐらいしかなかった。
その異常さに毛が逆立ったんだ。
“それ”は下半身だけですたすた歩いて、車のすぐ向こう側に消えた。

かみさんはそっち側に背を向けていたから見ていない。
おれマジ恐怖顔してたらしく、その表情を見たかみさんは
「ナニ!?ナニ!?」って騒いだが、言わなかった。
かみさん怖がりだから、言ったらその後が大変だと思ったから。
そのとき“それ”は車のすぐ向こう側を歩いてたはずだから、
すぐに見に行ったら確認できたかもしれない。
でもどうしてもその気にはなれなかった…orz

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『第616話 キャンプにて』へのコメント

  1. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2010/06/21(月) 11:22:00 ID:3139693d9

    その下半身て、裸なのか?

  2. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2013/08/10(土) 08:03:13 ID:ab98578f7

    おまわりさんこの人です