第2430話 ふすま

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436 :本当にあった怖い名無し:2011/08/09(火) 23:58:55.25 ID:EACRApSM0
(1/5)
高校1年の2学期に転校してきたK君から聞いた話。
今でも気味が悪くて忘れられずにいる。

K君が中学の頃、父親がある地方都市に転勤になり家族全員で引越しすることになった。
転勤先の営業所がある都市部に社宅があったそうだが、昔から田舎暮らしに
あこがれていたK君の父親は、それを断って郊外に一軒家を探して借りることにしたそうだ。

この家がかなり年季の入った広い屋敷で、玄関を入ると大きな土間があり、
部屋数は10位で長い渡り廊下なんかもあったりして、昔話に出てくる庄屋さんが
住んでいそうな家だったらしい。

437 :本当にあった怖い名無し:2011/08/09(火) 23:59:40.40 ID:EACRApSM0
(2/5)
建てられてから相当年数が経っていたらしく、あちこちガタがきていたが、とりあえず
日常生活には支障がなかったらしい。
ただ、障子や襖などの汚れがひどかったので、貼りかえることにしたそうだ。
また、奥まった場所にあるトイレの向かい側の壁紙はカビが生えてかなり汚れていたので、
それもはがして取り替えることにしたそうだ。

K君の父親が壁紙をはがしていると、中から絵か模様のようなものが現れた。
なんだろう?とよく見てみるとそれは釘で打ち付けれた「ふすま」だったそうだ。

438 :本当にあった怖い名無し:2011/08/10(水) 00:00:28.44 ID:EACRApSM0
(3/5)
母親は、さすがにこれは事件性がありそうだし、警察に立ち会ってもらった方が
いいのでは?ともっともらしい意見を言ったそうだが、父親は、大してあわてる素振りもなく、
「大丈夫、大丈夫」といいながらふすまを開けにかかった。

しかし、このふすまがなかなか開かずに苦労したらしい。
ふすまに刺さった釘が思うように抜けず、最後はK君と弟も手伝って半ば強引に
こじ開けるように開けたそうだ。

ふすまを開けると、そこには3畳程の小さな部屋があり、カビ臭い匂いが充満していたそうだ。
また、部屋の奥には小さな長方形のテーブルがあり、その上に位牌らしきものが置いてあって、
その隣には写真たてが伏せて置いてあったらしい。

439 :本当にあった怖い名無し:2011/08/10(水) 00:01:19.41 ID:EACRApSM0
(4/5)
あまりの不気味な光景に、さすがに父親もしばらく固まっていたそうだが、気を取り直すと、
まず最初に伏せて置いてあった写真たてを拾い上げ、ひっくり返して見たそうだ。

その瞬間、「うっ、」と声にならないような声を上げ、しばらくその写真を凝視してらしい。
K君も怖いもの見たさで、写真を見ようとしたが、父親に「お前は見ないほうがいい」と
言われて見るのを止めたそうだ。

父親は「お祓いをしてもらった方がよさそうだな。」と言って近くの寺の住職を呼びに出掛けた。
その日のうちにお祓いをしてもらい、位牌?と写真はお寺に引き取ってもらって、その後も
その家に住んでいたそうだが、怪奇現象とか祟りとかの類は全くなく、いたって平和に過ごしたそうだ。

封印された部屋は一体なんだったのか?写真には何が写っていたのか?
当時の自分は、当然の事ながら物凄く気になってK君に何度も質問した。

440 :本当にあった怖い名無し:2011/08/10(水) 00:03:12.33 ID:rGn5tUqc0
(5/5)
封印された部屋の謎だが、住職さんの話だと、恐らく部屋の作りからいって使用人
が住んでいたのだろう。そして気の毒にも亡くなったが、身寄りがなくあの家の住人が供養していた
のではないか。しかし、引っ越すことになった時に止むを得ず、あのまま置いていったのでは?と
言っていたそうだが、推測に過ぎず、本当のことはわからないそうだ。
止むを得ず置いていったとしても、釘打ちまでして封印する必要はなかったと思うが・・・。

写真の謎だが、こちらはある程度は解明した。
実はK君の弟が、父親が住職を呼びに出掛けた隙に、こっそり写真を見ていたそうだ。
話によると、20代半ば位の女性が着物のようなものを着て写っている白黒の写真で、特に驚くような
写真ではなかったらしい。写真を見た父親が何故、あんなに驚いたのかはわからないと言っていた。

結局、これ以上の事はわからずじまいで、気味の悪さだけが残ったままだ。

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『第2430話 ふすま』へのコメント

  1. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2011/08/10(水) 10:59:54 ID:aa179cca8

    新耳袋をはじめ、閉鎖された空間の話はけっこうあるけど、
    一抹の気味の悪さを感じる一方ですごく興味をかきたてられる話だなあ

  2. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2011/08/10(水) 12:50:35 ID:6ce5acfb9

    気味が悪い。鳥肌たった…

  3. 名前:名無し 投稿日:2011/08/10(水) 16:50:30 ID:8f7999a2b

    隠し部屋に位牌…なんなんだろうね

  4. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2011/08/10(水) 18:08:10 ID:24e180f05

    怨霊の祟りみたいなのを封印していたのかな? 話題の最終放射性物質埋蔵処理施設のみたく、いつか事情を知らない誰かが開けてしまわない様、メッセージを残しておくべきだった? でもそれだと身内の秘密を外部に漏らしてしまうとか? 今は借家になったあたりも不気味だな。 謎は深まるばかりだな。

  5. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2011/08/10(水) 18:21:42 ID:24e180f05

    とりあえず借家を借りた一家に怪奇現象も祟りもなかったのは良かったね、 父親がその時、何を感じたのかだけが引っ掛かるけれど。

  6. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2011/08/10(水) 20:40:14 ID:822e91d58

    これは不気味だ・・・
    じわじわくる

  7. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2011/08/13(土) 02:28:32 ID:45278b21c

    父親はなぜそんなに動揺したのか

  8. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2011/08/13(土) 05:46:18 ID:bf3825428

    父親が見た写真と弟が見たそれは違ってたのかもね。それにして気味が悪い。久々にゾクッとした。

  9. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2011/08/14(日) 17:28:04 ID:0ca98ee36

    これって怖いね

  10. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2011/08/18(木) 04:04:37 ID:8260c33d8

    俺の友達の家にもあったな閉鎖された部屋。
    泊まりに行ったときに見つけてあそこ何?
    と聞いてみたら、普通に使ってないからと言ってきた。
    俺の感覚だと使ってない部屋でも開くようにしてて問題無いと思うけど、その部屋の扉は板と釘でガチガチに固定されてたのでかなり不気味だった。
    しつこく聞いたら、友達も中の様子は知らないらしく婆ちゃんが扉を閉鎖したって事だけしか知らないらしい。

    食事の時そこの婆ちゃんにあそこは何ですか?と聞いたら凄い怒られた。
    まぁ失礼ではあるからそれ以上きけなかった

  11. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2011/08/23(火) 21:43:43 ID:12b575e4d

    平成の現代でも開かずの扉ってまだあるんだな…。
    うちにも汚すぎて開けられない押入れならあるけど。

  12. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/03/26(月) 23:51:26 ID:fccbf1273

    父親がその写真立ての人物を見た時、目でも動いたんじゃね?

  13. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2016/05/28(土) 20:22:34 ID:8fbd597cc

    住職さんの推理(?)通りで、父親にご縁があった方によく似ていたんじゃないかな。もしかしたら遠いお身内だったのかも。
    身寄りがないというのも昔の話だろうし、奇妙な巡り合わせで知っている人の御遺影っぽい写真を見てしまっての「うっ」。
    けどそれだと「見ないほうがいい」の理由がわからないなあ。
    やっぱり謎。

  14. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2018/02/08(木) 19:52:58 ID:658f8c0a2

    後半に怪異を盛ればいいホラー映画になるな