- 546 :本当にあった怖い名無し:2012/08/25(土) 18:35:05.69 ID:Oj5vuPSa0
- もうずっと昔の話なんだけど夏になると思い出して怖くなる。
当時小学生だった俺は、夏休みに両親と一緒に田舎の爺ちゃんの家に泊まっていた。
毎日田んぼや畑で虫取りやオタマジャクシを取って遊んでいた。その日も午前中目一杯遊んで、昼飯を食ったあと昼寝していたんだ。
目を覚ますと、家には誰にもいなくて俺は「みんな買い物にいったのかな?」と思った。しかし車は置いたままだった。両親や祖父母の靴もある。
でも俺は、そのときは「どうでもいいや」って思って、虫取りあみを持って家を出た。
でも外に出ると少しずつ違和感に気づいていった。まず夏真っ盛りなのに異常に静かだった。やかましいセミの鳴き声が一切聞こえない。
草むらに山ほどいるはずの虫が一匹もいない。虫取りをしてると必ず声をかけてくれる近所の人たちも一人もいない。
俺は段々不安になってきて、近所の家に手当たり次第行ってみた。でも誰ひとり居なかった。
比較的車通りの多い道へ行っても一台も通らなかった。そんなこんなしているうちに徐々に日は傾いていった。
俺はもう怖くて怖くてたまらなくて、道端にうずくまってガタガタ震えていた。人間って本当に怯えると泣くことなんて出来なんだとわかった。
日が完全に沈んで、何の音も無い不気味なほど静かな山道でずっと震えていると、突然眩しい光が見えたんだ。よく見ると軽トラに乗った祖父ちゃんと両親だった。不安の糸が切れた俺はワンワン泣いて、そのまま両親に抱かれながら爺ちゃんの家に帰った。
後日両親が言うには、俺は「昼寝をしていたはずなのにいつの間にか居なくなっていた」らしい。近所の人総出で俺を捜索していたんだと。
当然俺は物凄く怒られた。俺の言い分は誰も信じてくれなかった。ただ爺ちゃんは信じてくれて、かばってくれた。
「子供の時はそういう不思議なことが起きるもんだ。俺も子供のときあったよ」って言ってくれた。後日爺ちゃんに連れられて、近所のお地蔵様に「ありがとうございます」ってお礼に行った。意味は解らないけど、とにかく感謝しろって言われた。
もしかしたら何か知ってたのかもしれないけど、もうずっと昔に死んだからわからずじまい。
ただとても怖い、不思議な体験だった。
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『第2885話 昼寝の後』へのコメント
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名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/08/27(月) 14:59:21 ID:cd38fbe50
異3次元にも
時間の流れらしきものがあるんだな。 -
名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/08/27(月) 18:53:16 ID:5aa830877
帰って来れて良かったZE。
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名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/08/27(月) 21:38:28 ID:81edf287d
帰ってこられて本当に良かったね。爺ちゃん優しいな。
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名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/08/28(火) 16:02:56 ID:d6d3b0b1c
お地蔵様は子供の守り神さんだからね。でも、よくあるのかな?こういう神隠し。
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名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/08/28(火) 20:03:52 ID:2f507ae97
うっかり軽トラに轢かれなくてよかったー。いやそこじゃないかw
人に出くわさないことより昆虫類がいないことのほうが怖いなあ
虫取り少年だったらなおのこと恐怖だったことだろう -
名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/09/04(火) 10:55:03 ID:38256d090
「家の中から神隠し」って、こういう状況から起こるのかも、とちょっと思った。子供が自力で家に戻れたら、
いなくなってまたいつの間にか家の中に現れた、ってことになるんだろうな。
帰れて本当に良かったね。 -
名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/09/17(月) 16:22:22 ID:05fe663d4
8月32日だね。
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名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2014/03/29(土) 16:21:52 ID:e91ff7712
神隠しって「持っていかれる」みたいな感じじゃなくて、こういう風に隣の世界に滑りこむようなものなのかもね
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名前:名無しの 投稿日:2014/07/24(木) 01:21:30 ID:3ae218edb
軽トラに大勢乗りすぎw
少し大きくなってからでも、あの時は・・・ってもう一度お爺ちゃんと話ができたら良かったのにね。お爺ちゃんの経験も聞いてみたい。