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第3037話 叩く音

210 :本当にあった怖い名無し:2013/03/11(月) 01:08:53.89 ID:TzlJxDYy0
実話。

俺は小3の夏休みに東北のある県にある祖父の家にひとりでお泊りに行ったんだ。
小一から毎年行ってたからそのときで3回目だったな。

祖父の家には当時、祖父母と曾祖母の3人が暮らしてた。
新幹線乗ってある駅で降りて、車で山道一時間。山が真後ろにあって目の前には道路。そんなど田舎。俺は学校終わってすぐ新幹線に乗ったから、着いたのは夕方だったな。

家は2階建ての木造住宅で、当時築30年といったところだった。
車から荷物を下ろして飯食って、しばらくすると辺りはもう真っ暗だった。家から外は懐中電灯必須というぐらい暗かった。

テレビ見て祖父と風呂入って…そうしている内に眠くなって俺はひとり2階の寝室に行って寝た。

211 :本当にあった怖い名無し:2013/03/11(月) 01:10:10.58 ID:TzlJxDYy0
ハッと俺は目を覚ました。横には祖父母両方寝ていて辺りは真っ暗闇。
何時だろうと思っていると、俺の耳に確かにある音が聞こえた。

トンカチで木を叩くような音だった。
家の真後ろの山の方向から、確かに聞こえていた。「トン────、トン────。」と二秒ぐらいの一定間隔で、響いていた。
当時学校の図書室で呪いの藁人形の本を読んだ俺は、完全に怯えきっていた。
俺は隣に寝ていた祖母を揺さぶって起こした。祖母はすぐに目を覚ましたようだった。俺はテンパって「今何時?」と訳のわからない質問をした。祖母は枕元の電波時計を俺に見せてくれた。そうしていると祖母も音に気付いたらしく、窓を見たところ、すぐにその音は止まった。

212 :本当にあった怖い名無し:2013/03/11(月) 01:11:26.32 ID:TzlJxDYy0
気付いたら朝になっていて、日光が照らしていた。隣に寝ていた祖父母の布団は綺麗にたたまれていた。俺は、すぐにあの音のことを思い出した。そして、みんながいる1階へ駆け降りた。

祖父と曾祖母は今までそんな音は聞いたことがないと言っていた。

怖いのは、あの音を聞いた祖母が何も覚えていなかったことだ。

ちなみにあれから10年、何もない。

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