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第2015話 猫のイチロー

294 :本当にあった怖い名無し:2010/10/04(月) 10:16:23 ID:1msxpn6l0
そう言えばふと思い出したけど
5年前に死んだ猫の話。

その猫イチローって言ってロシアンブルーの子猫なんだけど、家に来た時は3カ月くらいで
それはそれはヤンチャでもっと遊べって噛みついたり、自分の部屋も汚かったから
彼女がくれたドリームキャッチャー?だっけ、あれを咥えてほかの部屋に持って行き
無い無いと探しては彼女と喧嘩したりとまぁ面白い事やらかしてくれた。

2ヶ月くらいたった時かな、成長とともにおとなしくなったと思ったら自分にベッタリになった。
寝る時も一緒、遊ぶ時も一緒。でも以前のようにはしゃぎ回って飛びまわってという感じではなかった。
ちょっとおかしいと思ったんだよね。案の定「腹水=猫伝染性腹膜炎」だった。だんだん弱ってきて
目ヤニもすごく、これはヤバイと思って病院に行ったらもう手遅れだった。
病院で点滴してた姿が痛々しかった。ガラス越しで聞こえるわけもないんだが、「イチロー、よくなって家に帰ろうな」
って言うとしょぼしょぼの目で「ナーン」て鳴く。だが毎日通ったけど改善はしていないみたいだった。
その後、すぐに死んでしまった。もっと早く気付いて色々調べればよかった。悔しかった。

不思議な話はここから出てくるんだけど、その猫が亡くなって1週間後、彼女が遊びに来た。
きちんとお墓に埋葬も済ませた後だったんだけど、ある強烈な記憶が頭の中に浮かんできた。
それは3週間くらい前に彼女が遊びに来た時二人で写真を撮ろうとカメラを構えた時に、後ろがベットだったので
登って自分と彼女の顔の間にイチローが入ってきて写真を撮った記憶。それが鮮明にあったので「あーそうそうそんな写真あったよな」
とデジカメを調べたら無い。彼女に聞いてもそんなの撮ったっけ?と曖昧な様子。
病院に行く前の事だから、そんな前じゃないので着ている服とか状況がはっきり覚えているんだが写ってない。
おかしいなあと他にも色々撮った写真があるから、それを見てその日は過ごした。

その夜、夢の中で写真を撮った時の事が出てきた。二人で顔を揃えて写真を撮るときに、その間にすっと
顔を入れて写真に撮られたイチロー。
その後ツツツと自分の膝元に来てずーっと頬すりするイチロー。
今までありがとうって言いたかったんだろうか。その朝は顔中涙まみれで、目が覚めた。

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