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第2361話 ステンレス越しの姿

953 :本当にあった怖い名無し:2011/07/03(日) 15:33:58.85 ID:Og1YbhnUO
今から約三年前のことなんだけど、その日は平日休みで午前
9時位に起きて遅めの朝食を取っていた。何気なくテーブル
の向こうのシンクを見たらなんとも言えない違和感に襲われた。
うちのシンクの上はステンレス張りになっていて鏡みたいに
映りがよくて良く反射するんだけど自分の腰掛けている椅子の後ろ
ちょうど台所の入り口にふたつの服が浮いていた。

正確には人が二人立っているように見えた。その時はひとりで
家には自分以外誰もいなかった。慌てふためいて後ろを振り返ってたら

誰もいない。でもステンレス越しには確り映ってる。

恐怖が沸々と沸き起こっていて叫びそうになる一方で好奇心も
あり恐る恐るステンレスに近付いた。近くで見ると
やっぱり人間で二人並んで立っていた。正面から向かって左側は
黄色のフリースのようなものを着ていてもうひとりは玉虫色
シャツを着ていた。最初、二人とも首から下、上半身だけ見えて
それはステンレスの縦幅のせいだと思ったんだけど、近くで見ても
どう角度を変えても上半身しか見えない。両方とも微動だにせず
ただ突っ立っている。そうこうしてるうちに恐怖心も薄れ、
話し掛けてみたり、二人が本来いる場所に立ってみたりした。
何の反応もなくそのうち飽きてきて一時間ぐらい放っておいた。
何気なしにもう一度ステンレスを覗いたら二人ともいなくなってた。

あれは何だったのかいまだに時々気になります。

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