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第2652話 夏祭りでの黄昏時の奇妙な体験

291 :本当にあった怖い名無し:2012/02/03(金) 23:05:35.15 ID:dCYVfTK2P
最近になってまとめとここを知った新参者だが、空気を読まずに
数年前のお盆にオタク仲間の友人たち(全員三十以上の独男)が体験したことを投下してみる。
とある地方の某観光都市でお盆に行われていた夏祭りでの黄昏時の奇妙な体験…
(夏祭りそのものは純然たる観光客向けイベントで、最近増えてきたよくあるタイプ)、
以下は、友人ABCDの証言を聞いた記憶を元に時間経過順に再構成したもの。ドライブがてらに他所で何箇所か観光をして、夕方に某観光都市に到着して夕食。
その後ようやく暗くなってきて、暑さも和らぎあちこちの灯篭の灯がムードを醸し出してきた。
4人でしばらく街中や川沿いをうろついていたが、Bが土産物の追加を買いに行くので、
かなり酔っ払っていたAをC・D(この二人は素面)に任せて離れた。
川沿いまではそこそこ他の人影はあったものの、城跡公園にはほとんど人気はなかった。
C「せっかくだし、上の神社(この神社の参道にも灯篭が配置されていた)まで行くか」
A「俺は面倒だからここにいるんで、二人で行ってこいや」
酔っ払い(A)の放置は少し心配だったものの、
たいした距離ではないし誰もいないのでC・Dだけで参道を登って神社まで行くことになった。
やはり人気もなく、麓の広場から祭囃子と太鼓の音が聞こえてきてさらに独特の雰囲気は高まる…
C「エ□ゲとかでこういうシチュだとなんか起こりそうだよなあ」
D「…先ずエ□ゲ、って発想は追求した方がいいのかもしれんが、
伝奇系ゲームやアニメでって意味ならたしかに。
けどあの音は録音だし、町と僕らを繋げているわけだから何もないでしょ」
そんなことを会話しながら、神社に参拝。誰にも会うことなく、往復5分程度で城跡公園に戻った。
(正確には山そのものが城跡で、山裾に石垣があり明治以降中腹に神社が造られたもの)
292 :291:2012/02/03(金) 23:09:07.40 ID:dCYVfTK2P
ところが、Aの姿がどこにも見当たらない。
相変わらず他に人気もなく、録音の祭囃子と太鼓の音が遠くに響いて
薄暗い中に灯篭と外灯の灯があるだけ。
城跡公園といっても、そんなに広い面積はなく隠れられそうな場所もない。
唯一隠れられそうかつ酔っ払いがいそうなのはトイレだが、
人感知点灯式でC・Dが調べるまでは消灯状態だった(無論、大便用個室にも誰もいなかった)。
C「携帯にも出ないし、もう降りたのかもな。メールだけしとくわ」
そしてC・Dは街中でBと合流したが、やはりBもAの行方は知らないという。
やはり携帯は繋がらないので、再度メールを送りとりあえず駐車場まで先に行くことにした。
その時に照明がされている盆踊り用櫓の前を通ったが、
誰も踊っていずに録音の祭囃子と太鼓の音が大音量で響くだけなのが逆に物寂しい。
B「…こういうのってのはわからんでもないけど、風情ってもんがないんだよなあ」
D「そりゃ、このお祭りは伝統的なものでもないんだしねえ。イベント的には妥当なとこかと」
293 :291:2012/02/03(金) 23:11:37.85 ID:dCYVfTK2P
ひょっとしたら先にAは車のところにいるかも…と少しは思ったもののそういうことはなく、
3人は先に車内に乗り込んでもう少し待つことに。
何度目かにようやくCの携帯がAに繋がったので、変な雰囲気なものの、
とりあえず駐車場まで来るように言い、Aを回収して帰路につくことに。
車内で興奮気味のAから聞き出したのは、
A「俺はずっと城跡公園にいたし、CもDも来なかった。父娘連れが通りかかった気はするが…」
C「いやいや、参道じゃ誰もみかけなかったし」
A「祭囃子と太鼓の音が聞こえてて、それに合わせて櫓の周りを何かが踊っていたのを眺めていたんだが…
俺って『神隠し』状態だったのか?」
B「櫓の周りには誰も踊ってなかったっての」
D「『神隠し』っていうよりも、『送り盆』かなあ…なんとも奇妙なことで。
まあ、無事でなによりだったけど」
Aが話している最中に、今まで3人が出していたメールがようやくAの携帯に一斉着信したこともあって、
Aはかなりの興奮状態。
B「酔っ払いは黙っとけ」といわれる始末。
そこでDが、Aにお守り(?)を持たせて後ろから羽交い絞め?をし、背中に指で縦横を書いたりした。
なんとなく白けた雰囲気にはなったものの、
車載DVDのお陰で帰りの車内の空気そのものはそんなに微妙にはならなかった模様で、
帰るまでは車内では特に何も起こらなかったそうな。
294 :291:2012/02/03(金) 23:13:32.55 ID:dCYVfTK2P
ことが起こってから数ヶ月経った時の飲み会の時にこの話を聞いて、
帰りが同じ方向だったDに少しきいてみた。
D「Aが『何か』を体験したのはAの主観的な事実だけど、
それが客観的にはなんなのかはわからんね。
酒に酔っていたら『神隠し』はしないというし、『お盆』にしても全員某観光都市とは縁も縁もないしねえ。
Aが見たのは今まで一度もそんなことはなかったけど酒に酔った幻で、
しっかり探したのに僕とCが何故か見つけられなかっただけで、
その時に偶然にもAの携帯だけが繋がらなくなっていた…と無理やり合理的に判断できなくもないし。
車内でAにしたこと?あー、オッポウでゲホウだから…心理的に落ち着かせるつもりだったんだけど、
さて効き目があったのかどうか。持たせたのはお守りで、これね。」
Dに見せられたそれは、テレホンカードと同じ大きさ・材質のお札?みたいなもので、
梵字が書いてあった。以上で全て。まだ全員と友人関係は続いているし、障りみたいなものも皆無だそう。
(元々あったAの不眠症が一週間くらい解消されてたくらいかな)
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