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第3614話 異世界ベランダ

94 :本当にあった怖い名無し:2018/05/02(水) 23:19:46.12 ID:Ao3Y7nry0.net[1/3]
小学校4年の頃。
自分の部屋でゲームしてた。
飼ってる茶ブチ猫がボタン押したんで怒った。
茶ブチ猫は隣家側の窓の定位置に戻った。

せっかく覚悟決めて戦うとこだったのに。
気分転換になんとなくベランダに出たら
景色がぜんぜん違う街並みだった。

俺んち関東なんだけど、京都みたいな町で
「うおー!すげー!」とか思って眺めてた。

俺んちは急な坂の上にあるらしく
右を見たら自転車に子供を乗せたおばちゃんが
上り坂をはぁはぁ言いながら自転車を手で押してた。

ベランダも手すりが古くて錆びてて上から乗ると
端が外れてた。赤茶色でお寺の手すりみたいな
肉まんみたいのが付いてた。

当時からオカルト好き少年だった俺は楽しくて興奮してた。

95 :本当にあった怖い名無し:2018/05/02(水) 23:34:53.18 ID:Ao3Y7nry0.net[2/3]
「親にも教えなくちゃ!」と部屋に戻ったら様子が違う。
俺の部屋なんだけど茶ブチはいないしテーブルに
開けてある菓子の箱と手紙がある。

蓋に○江って隣のおばさんの名前で熨斗があって
中の菓子は黄色い袋に入ってていくつか空袋があった。

オカルト少年だった俺は(戻れてない!)と咄嗟に思った。
急に恐怖で(早くしなきゃ戻れなくなる!)とパニックになり
ベランダに出ようとした。

その時(何か元の世界のものを持たないと帰れない!)と
考えてテーブルの上のゲームソフト(空箱)を掴んで出た。

ベランダは新しくて綺麗になってたけど
景色は江戸時代みたいになってた。

97 :本当にあった怖い名無し:2018/05/02(水) 23:47:23.57 ID:Ao3Y7nry0.net[3/3]
右側は坂のままだけど誰もいない。
左側に大きな木造の建物があった。

中に着物の人と数人の白いパンツの人がいて
俺を見つけて窓から指をさして騒いでるようだった。
俺を捕まえるような感じで白パン達が部屋から走って出た。

ビビって部屋に逃げ込んだら
茶ブチ猫が部屋のベランダ入り口にいた。

猫を見た瞬間(戻れた!)と思って泣いた。
それからは異世界に行くこともなく無事に過ごし
家はビルに建て替え茶ブチ猫も22歳の大往生で逝った。

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