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第2604話 夢のおかげ

33 :本当にあった怖い名無し:2012/01/07(土) 14:45:34.98 ID:5oDxi8UB0
祖父から聞いた話。

戦争末期の頃。農家の長男だった祖父も徴兵されて、輸送船で戦地に送られていた。
N丸と言って、7000人収容していたそうだ。

さて、祖父は船底で、多くの戦友とともに寝ていた。
すると夢で、祖父の父親(つまり自分の曽祖父)にこっぴどく叱られる夢を見て
目が覚めてしまった。ちょうどそのとき、甲板の見張りをしていた船員が
交代すべく、船底に降りてきたところだった。

ちょうど祖父が起きていたので、見張りを交代する事になった。
祖父が階段を上がって、甲板に足をかけたか、かけないかタイミングで、
突然激しい衝撃が船を襲った。

N丸に敵船からの魚雷が命中したのだった。

祖父はセオリーに従い、服を抜いて、即海に飛び込んで、泳いで、なるべく船から離れた。
(船が沈む渦に巻き込まれないため)

その後、数日間漂流物にとりついて漂っていたところを同胞に発見されて、助かった。

結局7000人中、5000人が戦死、船底の戦友は全員戦死されたそうだ。
不思議な夢で、九死に一生を得たという話。

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