第2948話 戸愚呂兄弟

俺の友達が中学生の時の話なんだが。
友達（A君DQN）が本屋の外でジャンプを立ち読みしてると、トントンと肩を叩かれたそうだ。
叩かれた方を見ると20歳くらいの小柄な女（ナンバーガールのギターに激似だったという）で
Aが『ああん？』と返すと、ソイツは『戸愚呂兄弟』と言いながら向いにあるカフェだかケーキ屋を指差した。
意味もわからぬまま指差す方を見てみたら窓ガラスに映る自分の姿があった。
女はなおも『ほらほら』と指差すのでよくよく見てみるとなるほど。
自分の肩に違和感が。A君は視力悪くて鮮明には見えなかったらしいが確かに髪の長い戸愚呂兄みたいなのが乗ってたらしい。
驚いて『んだよこれ!?』とキレながらパニくりまくって肩をさすったり叩いたりしてると
女が『どこから拾ってきたのお？じゃあね』とマウンテンバイクに乗って颯爽といなくなったらしい。
それから暫くはガラスはもちろん鏡もこわくてマトモに見れなかったらしいが、年月が経つに連れ記憶も薄れて平気になったんだそうだ。
けど、何年か経って原宿の美容室で髪を切ってると美容師の女が小声で『今、窓際でカラーしてる人いますよね？あの人がAさんのこと戸愚呂兄弟に似てるって言ってましたよｗｗｗ』って言ってきたんだそうだ。
『んだよそれ！ふざけんなよ！んだよソイツ！』と強がってみたものの内心は『超こえー超やべー』と思いながら窓際を見ると、
あの時の女がカラーのラップしたままニコニコとA君を見ていて会釈までしてきたらしい。
『マジか！？はっっ！まさか!』と目の前の鏡を見ると美容師がA君の肩に頭が調度くるような体制で髪の長さを調整してたらしい。
しかも髪型といい、あの時の戸愚呂兄にそっくりでゾッとしたそうだ。

この話、本人から聞いたんだけど馬鹿過ぎて何言ってるかわかんないんだよね。
たぶん上記で合ってるはずなんだけど。
『その女と戸愚呂兄の関係は何だよ！』と聞いても『しんねーよ！』しか言わない。