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第2797話 徘徊する老婆

8 :本当にあった怖い名無し:2012/06/07(木) 01:12:42.64 ID:hjxVbJnQ0
長文すみません。
以下は去年、某小規模SNSの日記に自分が書いたものです。
「去年」とあるのは実際は一昨年にあたります。
=====
たぶんなんかカラクリがあるんだが、ちょっとわけわかんなくて驚いたので書いておく。

家内の実家であるG家と同じ町内に、徘徊癖のあるTさんという婆さんがいてな。

まずは去年、
法事のためG家に親族が集まりリビングで談笑していたところ、ベランダの前、網戸のすぐ外に誰かが立ってる。
とーとつな出現に自分をふくめ一同びっくりしたが、それがTの婆さんだった。

義母の解説によると、そのT婆さん、
ときどき町内各戸の敷地にいつの間にか入り込み、家々のすき間を通り抜けて、ご町内をパトロールwしてまわっている、らしい。
人の家を覗き込むわけではなく、ただ通り抜けて行くだけ。
わざわざ(?)建物ぎりぎり、窓のすぐそばを行くので町内の皆さんは少なからず驚かされるのだと。
これが自分がTさんを見た最初。

で、先々月の休日の昼ごろ。
自分と家内と義父母の4人、G家の玄関前でささやかな屋外焼き肉パーティー開催。
敷地の東端にあるガレージ入り口前から玄関前にまたがる位置にコンロを置き、それを4人が囲む格好な。
11時頃から準備して、だらだらと飲み食い。
いいかげん食い疲れた13時半過ぎ頃、いつの間にかT婆さんがベランダの前にいたのだ。

(位置関係平面図。AAずれちゃうので本末転倒だが画像で。)

位置関係平面図

続く

9 :本当にあった怖い名無し:2012/06/07(木) 01:14:53.44 ID:hjxVbJnQ0
(続き)
ベランダのある方、西に背を向けていた義父だけが遅れて気付いたが、今年も突然の出現に一同びっくりだ。
義母は引きつりながら「こんにちは…」と言い、俺も家内もあっけにとられながら会釈。
T婆さんもうつろな返事を返しながら老人特有の超小刻みな歩幅(一歩15cmくらい)でベランダ前の玉砂利をふみしめながら近寄ってくる。
義父が体をずらして道をあけてやり、そのわきの庭の囲いのカドとのすき間を婆さんがゆっくりと通り過ぎて、玄関前のスロープを下り、G家前の道路に。
で、歩幅15cmの歩みのままどっかへ。

最初、「いつの間に?」と思ったが、やがて「どこから?」に疑問がシフトした。

というのも、敷地の東南角、われわれのいる玄関の、目の前のスロープを上ってくる以外、つまり婆さんが去って行ったルートを逆にたどる以外、ベランダ前に至ることは不可能なはず。

■まず婆さんがやってきた方向、G家敷地の西がわは隣家との間に腰より少し上くらいの高さの生け垣がある。
その生け垣の向こうは、隣家の鉄のフェンスと隣家庭の家庭菜園、物置と隣家の住宅そのものがある。
もし、わっさりと繁ったトマトだの豆だのをかき分けて、フェンスと生け垣を飛び越え入って来たなら、アクションと音のためその時点で気付く。

■道路のある南側から、スロープからではなく庭を突っ切ってベランダに至ったとしても同様。
1.2mほどのコンクリートブロックを登り、その上にめぐらせてある80cm高の鉄柵を越え、さらにG家の庭(家庭菜園)の梅の木やかぼちゃやネギやきゅうりをかき分け、物干をくぐる姿は、焼肉やってるわれわれからずっと見えていたはずだな。

10 :本当にあった怖い名無し:2012/06/07(木) 01:15:46.04 ID:hjxVbJnQ0
■敷地北側はG家の裏手、死角になるが、ここからってのもなかなかあり得ない。
このへんの住宅は北が高い切り土で、段々になっており、
裏手には2mくらいの高さのコンクリートの壁というか崖というか(擁壁?法面?)がそびえている。
さらに壁上のキワには高さ1.5mくらいの鉄柵が設けてあり、段上からの人や物の落下を防いでいる。
この崖はG家の左右両隣り数軒ぶんにわたって伸びている。
北側から鉄柵をのり越えて来るとすると、年寄りだとまあ、落ちて骨折じゃ済まないだろう。

このコンクリートの壁からG家の建物まで2間ほどの間隔があるが、前述の西側の生け垣のどん詰まりがこの壁。
東の端はG家のガレージがこの壁にくっついて建っててすき間がない。
だから東側からは猫も(たぶん)通れない。

■われわれが焼肉を始める前からこの壁との間のスペースに潜んでいたのかも。
しかし、ここのスペースは夏場なので開けていたキッチンの窓から見渡せる。
2時間まえ焼肉準備中の家内と義母が、ここから外を見て気付かない死角(窓枠の下)にシノビのごとく中腰で貼り付いていたのか。。
というのが、現実的にはたしかに唯一ありそうではある。
ただ、そのスペースつまり北側から回りこんでやって来る際、ベランダ前に至るまで玉砂利を踏む音で気付きそうなもんだが。

「‥‥どっから入って来たの」と気味悪がる義母。
「知らんよ!どっかのすき間からだろ」キレ口調混じり半笑いの義父。
面白がって敷地のまわり、崖際の足跡や玉砂利の音を確認・検証してまわる俺と家内。

狭いところをくぐってきたにしてはT婆さんの服装には破れ・汚れらしきものも見当たらなかったし、
菜園と北側西側の玉砂利のない土の部分には足跡はなかった。
物置や生け垣を軽やかに飛び越えたか崖からふわりと舞い降りたのか‥‥。

11 :本当にあった怖い名無し:2012/06/07(木) 01:17:33.95 ID:hjxVbJnQ0
(どうも文章だと位置関係わかりづらくてスミマセン)

そこで思いだしたのだが、去年法事の時の目撃時も今回と同じく、ベランダ前に突然現れて西側から道路に抜けて行ったよな、と。
逆ではなく。

どうしても俺には、「ナメクジだかカタツムリだかが、実はテレポートできちゃうらしい」
というハナシが思いだされてならんのだがなw。

T婆さんは、町内でも比較的大きなお屋敷に50過ぎの娘さんと二人暮らし。
いいとこの奥様らしく服装も小奇麗(汚れていれば目立つ)。
徘徊は頻繁ではなく、本人は少々ぼんやりしているくらいで、声をかければ挨拶も返すし、驚かされる以外は(今のところは)特に害はないのだが。

「よそでは徘徊老人が変なすき間にはまり込んで身動きが取れなくなり、レスキューが出動したなんて事件(俺の職場の近くw干からびそうになってた)も聞いたこともあるし、ナニカと危ないから」
と町内の奥さん連中が気をもんで、注意してもらうよう同居する娘さんに談判に行ったそうだが、
「ウチはお互い干渉しないことにしてますから」と、
どうにも的外れなご回答で埒があかないそうだ。
たしかに縛り付けておくわけにはいかないだろうけれども…どうもなー。

(長文失礼しました。)

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