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第3076話 彼氏の家

521 :本当にあった怖い名無し:2013/05/18(土) 02:38:39.98 ID:hu8+LWvX0
大学生になったばかしの頃、彼氏の家へ何度か寄った。

乗り継ぎの駅と駅の間にあった家。
外壁が少し黄色くて二階建てだった。
玄関入ると大きなキッチンがあって、真ん中に八人で掛けられるテーブルがある。
「おじゃましま‥ 」と言いかけると、「しっ、声出すな」と咎められた。
行くのいつも夜だったからなんだけど、キッチンは必ず電気が消えてて、人がいた事なかった。
左に階段があり、途中で右に折れ、二階へ続いてた。
彼氏の部屋は二階。
二階の廊下も薄暗く、彼氏の部屋は明るかったけど、「あんま音立てるなよ」と、いやに神経質だった。

続く。

523 :本当にあった怖い名無し:2013/05/18(土) 02:48:51.58 ID:hu8+LWvX0
その家、何回くらい行ったかなァ。

あんまり「静かに(怒)」って強要されるから、軽くイラついて、ある日の帰り、キッチンの端にぬいぐるみを置いてきた。
自分が少し先に一階降ろされた時、彼氏の目を盗んで。
彼氏は気がつかなかったみたい。
何となく、自分の存在を家人へ知られたくない風だったから、ひっそり自己主張したくなってみた。

524 :本当にあった怖い名無し:2013/05/18(土) 02:51:39.47 ID:hu8+LWvX0
そしたら次の日から彼氏と連絡がとれなくなった。
乗り継ぎ駅と言っても、そんな行く用事の多い駅じゃなかったから、すぐには行かないでて、一週間以上経ったかなァ。
久しぶりに訪ねてみたら、その家自体が無くなってた。
彼とは今も連絡取れていない。

何だったんだろう‥  別にここに書くようなのじゃなかったのかも知れない。でも自分には不可解な話。

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