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第2659話 東村山から新宿まで

430 :本当にあった怖い名無し:2012/02/06(月) 15:33:25.10 ID:S3pb4sGSO
あと、お前が寝てただけじゃん
って話なだけだけど
自分ではすごく奇妙で怖かった話

東村山から新宿へ帰ろうと
真っ暗な田舎の駅に入り
電車を待っていた
ホームには照明はあるけど
駅は山や畑に囲まれて
辺りは真っ暗
電車を待つのも俺だけで
心細くベンチに座っている

一つ視界から現実世界を感じさせてくれるものといったら
真っ暗な景色の中に、赤くボヤ~と浮かび光る「医院」という電光看板だけ
それもまた俺の奇妙さを盛り上げたてた

433 :本当にあった怖い名無し:2012/02/06(月) 15:47:51.08 ID:S3pb4sGSO
電車がホームに到着すると
乗客も数人おり
少し、その奇妙な世界と別れを惜しむような心境で
電車の窓越しに「医院」と無人駅を後にした

新宿までは1時間近くかかり
俺はスカスカの車内で
悠々と眠りに落ちる

しばらくしたのか
ふっと目を覚ますと
電車は動いておらず
乗客も俺一人で
窓越しには不気味に赤く光る
「医院」

山手線のような循環線ではないが、折り返し運行のため
あ~寝過ごしちゃったか
と、もう一生くることはないと思っていた無人駅に再びいることに、背筋をゾクッとさせ、回送車両を降り、再び次の電車に乗って新宿をめざす

結局、その後、3回乗っても
いつのまにか眠りについてしまい
ドキッと目を覚まし
「医院」を目で探す作業を繰り返し…
終電を逃して、この日は東村山の友達宅へ泊まることになった

おわり

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