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第3540話 海辺の町の記憶

307 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2017/06/08(木) 04:52:27.08 ID:XAn8F61O0.net
俺は、小さな海辺の町で生まれた。
砂浜には松の木が立っていて、満潮時には松の根元まで水が来て
海の中から木が生えているような不思議な光景になった。
引き潮の時は、貝殻拾いをした。
赤ん坊の妹にオハジキをしてみせたら喜ぶかなと思ったんだ。
目を上げると、キラキラ光る海面に漁をする木舟がたくさん出ていた。
舟が引き上げて来るのを待ちかまえ、網からこぼれ落ちた
ピチピチの魚を家族の人数分拾って、俺はダッシュで家に帰った。
寺の鐘が鳴り終わるまでに帰ればセフという決まりだったのだ。
楽しい毎日だったが、俺が幼稚園に入る年
うちの一家は東京に引っ越して、俺は東京S区の幼稚園に入った。

と、思っていた……小1の時までは。
ところが、海辺で暮らしていた当時の写真が1枚もない。
親に聞くと、うちはずっと東京で、同じこの家で暮らしているそうだ。
じゃあ旅行に行った時の記憶か?と首をひねると、
幼児や赤ん坊を連れて水遊びをするのは危ないから
R(俺の名前)が幼稚園に入る前に家族で海に行ったことはないと言う。
「貝殻のオハジキとか、木の舟とか、いつの時代の話をしてるんだ」と
両親からは笑われた。

でも、夢や想像にしては、やけに記憶が鮮明で細かいんだよなあ。
3歳の子供の頭ででっち上げられるようなディティールでもないしさ。
まあいっか、で来ているが、俺の人生における最大の謎。

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