- 786 ：自治スレでローカルルール他を議論中：2010/10/30(土) 05:54:27 ID:0JsnsTsE0
- 私は中学生まで、ドの付くほどの田舎で暮らしていました。
これは、私が小学生の時の話です。風呂上がりに自分の部屋でくつろいでいた時、目の前をバッと何かの影が横切りました。
「？」として見渡すと、黒い虫が一匹、部屋の中を飛んでいました。
田舎でしかも季節は夏だったので、窓は開けっ放し。
近くの山から飛んできた虫が入ってくるのは珍しいことではありませんでした。うわっと驚きながらも、私はとっさに置いてあった雑誌を丸めてその虫をすばやく叩き落としました。
で、まだちょっとピクピクしてる虫をティッシュでつまんで捨てようと思った時、妙なことに気付きました。
そいつはまるで見たことのない、不気味な虫だったのです。その虫はセミ程の大きさで、体は黒いのですが、
何百枚は重なっているであろう薄い透明の羽が小刻みに揺れていました。
また、まるで猫の目のようなものが背中にひとつだけあり、ギョロギョロ動いていたのも覚えています。
私はヒッと反射的に声を上げてしまい、家に居た母や父に相談などする余裕も無く、
ティッシュで何重にも包んで、思いっきり窓から投げ捨ててしまいました。
その日は暑いのを我慢して、窓を閉めて寝ました。次の朝、登校中の事でした。
雨だったので傘をさしながら、家を出て少し進んだ所にある畦道を歩いている時、
小学生・低学年くらいの子（同じく傘をさしていたうえに背は自分より低かったので顔は見えませんでした）が、
小走りで私を追い越そうとしたその直前、急にピタッと私の歩幅に合わせたと思いきや声をかけてきました。
「わたしのは、あさまかえしてえ」
「わたしのは、あさまかえしてえ」
こんな感じの区切り方で２回、怒鳴りつけるように言ったあと、そのまま走り去ってしまいました。
「あさま？」私はしばらくその場で呆然としていましたが、遅刻するとまずいと思い、
また歩き始めました。しばらくすると友達と合流したので少し安堵しました。 - 787 ：自治スレでローカルルール他を議論中：2010/10/30(土) 05:55:12 ID:0JsnsTsE0
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結局、あの子が何か分からないまま学校に着いて、ちょっと嫌な感じのまま休み時間を迎えた時でした。
私の教室は１回で、席は窓側だったのですが、何気なくそちらの方を見ると、
どしゃ降りの窓の外に、傘をさした小さな人影があることに気付きました。
（あの子だ！）と思った束の間、その子の持っていた傘だけがものすごい高さまで吹き上げられて飛ばされたのです。
女の子の顔がはっきり見えました。目は、顔の真ん中に一つしかありませんでした。私は体が硬直してしまい、窓から目を離せず、２、３歩反射的に下がった時、
その時教室に残っていた他の生徒が一斉に大声を上げました。
「わたしのは、あさまかえしてえ」
「わたしのは、あさまかえしてえ」
みんな様子が明らかにおかしく、無表情で、口だけを動かしてその言葉を連呼しています。
ごめんなさい、ごめんなさいと叫びながら、私は教室から飛び出し先生のいる職員室に向かいました。
「私の母さま返して」そう言ってるんだ、昨日の虫の事だ、と思いながら走りました。
天気が悪いせいで廊下は薄暗く、職員室前の廊下には偶然なのか誰も居ませんでした。
急いでドアを開けようと思って力を入れましたが、開かない。
泣きそうになって力任せにドアを引っ張っていると、後ろに気配を感じました。反射的に振り返ると、やはり、あの子が立っていました。
彼女は真っ黒な口を開けて、私に言いました。「わたしのは、あさまかえしてええ・・・」
私が保健室で目を覚ましたとき、ちょうど保健の先生が着替えを持ってきてくれる所でした。職員室の前で倒れていたそうです。
今しがた起こった出来事を話して、果たして信じてもらえるのかな？・・・いや、無い。
そんな諦めにも似た気分だったので言いませんでした。その後先生が家に連絡して、
その日は早退することにしましたが、どうしても一人で帰りたくなかったので母に迎えに来てもらいました。幸い、それからあの子は一度も見ていません。
私が殺してしまった？虫は、あの子の母親だったんでしょうか。
あの時、廊下で目の前にいたその子の顔の真ん中に一つだけある目が、
かすかに潤んでいたのを覚えています。
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『第2053話 わたしのは、あさまかえしてえ』へのコメント
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名前:本当にあった怖い名無し 投稿日：2010/11/01(月) 16:34:37 ID：32394d2b3
これは恐い。。。
でも、なぜか田舎特有の話だよね。
都会でこの手の話を聞いたことがない。
やはり虫も都会化されてしまうのだろうか・・・ -
こわ…情景が想像できてゾクゾクした
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こえ―(°□°;)―！！
むやみに虫を殺すもんじゃないね…
天からの遣いじゃないけど何か特別な虫だったのか… -
メｯチャ怖ｯ!!
gkbl((@д@;)) -
うん、やはり虫さんをむやみに殺すのはやめよう。
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殺されたくないなら人の家に入ってこないでくれ
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何より残された子が可哀想だ
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そんな虫いないだろうから虫じゃないと思うが…
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言葉話せるしそれなりに思考できるんだから
虫の姿で人の家に入ったらどうなるかくらい考えろよっていう
かあさま先のこと考えなすぎ -
全くだ
＝虫はむやみに殺しちゃだめだ、って結論はおかしいｗ -
描写を見ると何だかやたらと凶々しくて
蠱毒とかそういう話みたいなのに、
親子関係をもつ何者かなんだな。 -
虫がいるとすぐ殺すってのがなぁ。
なるべくなら殺さないで外に逃がしてやってほしい。 -
＞殺されたくないなら人の家に入ってこないでくれ
全くだなｗ
まあ自分は虫嫌いだから冬でも絶対網戸開けないし
もし入って来ても蚊とハエと小さい蛾以外は殺さず追い出す
死骸の始末が怖いから
変な汁とか出て床や壁が汚れるの嫌だし
だからセミクラスのサイズの虫をあっさり殺るレス主はある意味凄いと思う -
なんと切ない
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なんとも切ないね
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かあさまたしかに考えなさすぎ｡すぐさま部屋から出たらいいのに。
しかし子にそれだけ能力あるならあっさりティッシュにまかれてないのではとも思った。 -
なんか怖いけど…切ない…
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うん、セミは８年ぐらい土の中だからおかあさんには会えないはず。自分の子供を育てる虫っているのかな。
集団催眠にかけられたっぽい生徒たちは覚めたときどうだったんだろう -
怖くて哀しい
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私の 羽 頭返して かとおもた。
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まあ良い事ではないよね、殺すのは。
今まで何も考えず殺してたけど虫にも家族がいるもんね。
ちょっと反省した。これからはなるべく逃がすようにするよ。 -
怖い。
わたしのしっぽをかえしておくれって言われるのと同じくらい怖い。 -
なぜそんな知的能力&怨念パワーがありながら
人間に叩き殺されてしまうんだ… -
ただ こわい
23 さんの
しりっぽおばけの絵本かな
海外の民謡が元だったような
これは怖い…