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第2068話 女の子と私

12 :本当にあった怖い名無し:2010/11/04(木) 16:23:57 ID:kNTKwPkE0
小さな話2

中学生の頃、夏休みの真昼に母親に買い物に誘われました。
アイス買ってあげるよと言われたけど、暑くて外に出たくなかったので辞退。
部屋で読書感想文用の本を読みながら、母が出て行く音を聞いていました。
その時うちには私しかいなくて、蝉の声だけが聞こえていました。
私はしばらく本に集中していたが、そのうち喉が渇いてきたのでキッチンに向かった。
カルピスを作ろうと冷蔵庫を開けていると、玄関の鍵を開ける音がして続いてドアが開いた。
「お母さん、くっく脱がいちゃって」
小さな子供の声が、キッチンにも聞こえてきました。
私は驚いて動きを止め、声と物音に聞き入った。うちに小さな子供はいません。
すぐに、子供特有の、ドタドタっとした足音がキッチンに入ってきた。
知らない4、5歳くらいの女の子が、私の姿を認めてぴたっと動きを止めました。
なんで知らない子供が私のうちにいるんだろう。
私は呆然として、その子も同じように呆然としていました。

13 :本当にあった怖い名無し:2010/11/04(木) 16:25:39 ID:kNTKwPkE0
つづき

そのうち女の子はさっときびすを返してキッチンから出て行ってしまった。
うるさい足音が遠ざかり、しいん…としたあとに、けたたましい蝉の声が戻ってきました。
動けないでいると、また玄関の鍵が開く音がして、今度は母親の声が聞こえてました。
母親が汗だくで買ったものをキッチンに運んできたので、私はなんと言っていいか分からず
「えらい早かったね」と言った。母はキョトンとする。
母親が買い物に出て、20分も経っていないように感じていたが、時計を見ると1時間経っていました。
袋をガサガサ言わせている母親に、思い切って今あったことを話してみました。
母親はうんうんと最後まで聞いたあと、切り出しました。
私は4歳の頃、同じようなことを言っていたらしい。
家の中で、知らないお姉ちゃんを見かける。あれはだれか。キッチンにいて、こっちを見ていた。
トイレから出てくるのを見た。階段を下りてきて目が合った。
はじめ両親は不審者がいるのかと思って警戒したが、そのうちもっと違う心霊現象だと感じ、お祓いを頼んだそうだ。
5歳の誕生日を境にそういうことを一切言わなくなったので、安心していたと。
けれど、私にはその記憶は一切ありませんでした。まったく思い出せません。
母親は、きっとお前は霊感体質なんだね、としみじみ言いました。
なんとなく、それ以来自分の小さな頃のアルバムは見ていません。

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