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第2077話 ロサンゼルスシティーホールの展望台

93 :本当にあった怖い名無し:2010/11/07(日) 18:24:46 ID:Ee0ssp8F0
ふたつめ。

ロサンゼルスシティーホールの展望台から見る景色は素晴らしいという話を聞いた。

35℃を超える暑さと照りつける日差しにうんざりしながら自転車、電車、バスを乗り継いでシティーホールに到着。(自転車をバス、電車に載せることができる)
入り口でセキュリティーチェックを受け、エレベーターで24階まで上れと言われる。
エレベーターに乗ると、ボタンが22階までしかない。それより上は階段を利用するのかなと思い、とりあえず上ってみる。

22階に到着し、エレベーターを降りると窓一面に広がるロサンゼルスの美しい夜景。有り得ない。シティーホールに着いたのはほんの5分ほど前で、陽が照る真昼間だった。
状況を全く飲み込めず、何故かしばらく笑いが止まらなかった。笑い終えてから、薄暗いフロアにただ一人自分の笑い声が響いていることに気づく。誰もいない。
途端物凄い恐怖を感じてすぐさま一階までエレベーターで下りるが、ガラス張りの正面玄関は施錠されており、外はやはり完全に夜だった。
車と人の往来も見えず、館内は無人、静寂。この時点で泣いていたと思う。

ホールを夢中で走り、鍵がかかっていなかった裏口のドアから脱出。外は明るかったが、振り向くのが怖かった。後ろにはまだ夜が広がっているような気がした。
自転車を取りに向かう途中、バスとバスから降りた人を見て、初めて現実に戻ってこられたような気がした。
自転車のハンドルにはwarnと書いた紙がぶら下がっていた。

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