そこには様々な棟があって、棟によってはよく心霊現象が報告されていました。
1号館の女子トイレは何故か合わせ鏡になっていて凄く不気味。
2号館でも急にドアが開いたり、講堂では幽霊が目撃されたり、授業中に不可解な音が出たり・・・
とにかく色々な噂があった。
そのなかで自分が経験した話があるので、それを話そうと思う。
それは練習棟で起こった。
4階建てなんだけど、その日は4階の奥に練習の部屋をとって練習するつもりだったんだ。
授業も終わり、急いで練習棟に戻る。
廊下は部屋をとれなかった人達が練習していて凄くやかましい。
4階の部屋の近くは金管パートが練習していたので尚更である。
急いで防音室の部屋に入り練習開始。
もくもくと課題をこなしていくのだが・・・
なんだか気が散って練習出来ない。
しっかり覗き窓を見るんだけど誰もいない・・・
しかも横切った気がしたんだけど、一番奥の部屋だから人が行き来することなんてあんまりないはずだ。
そこで不審に思い、外に出て確かめる。
そこで奇妙な体験をする。
数分前までけたたましく鳴り響いていた金管パートの皆が誰もいないのである。
何十人もいた皆が数分間で消えてしまって無音状態。
確かめても誰もいない。部屋も満室だったのに誰もいない。
流石に気味が悪くなり、小走りに三階へ行こうとする。
しかし後ろから足音が聞こえる。追いかけてくる足音。
もう駄目だと思って全力疾走。
三階についたらそこにはオーボエやフルートが練習中。
凄く安心して4階に戻ると・・・
なんと金管パートが皆いるのである。
ほんのちょっと前までは皆いなかったのに、部屋も満室。
本当に怖かった。
あのままあの足音に追いつかれていたらと思うと・・・
おわり