- 512 :本当にあった怖い名無し:2013/09/23(月) 00:47:56.29 ID:ZoqfIpx3I
- ついさっきの出来事を書きます。長くなります。スミマセン
お彼岸用の花を買いに、駅前の花屋に行ってきた。
駅から家までは徒歩15分弱、幹線道路沿いをまっすぐ歩いて、
住宅街への道をちょこっと入れば着くような単純な道のり。
昔は繊維業が盛んな地域だったのでたくさんの工場が建ち並んでいたが、
産業の衰退と用途地域が変わった関係で今は一つもない。はずだった。
道路を挟んであっち側に、茶色い大きな建物があった。
それは小さいときに見ていた繊維工場で、むしろその頃のものよりなんかキレイだった。ていうか何で工場が?今は駐車場になってるんだけど。
頭のなか大パニック。花を抱えて立ち尽くしていると、
パートっぽいおばちゃん達がぞろぞろ建物から出てきた。そこでまたしても目を疑った。その中に母親そっくりなおばちゃんがいた。
おかしいおかしいおかしい。
母親っぽい人は道を渡ってこっちにくる。
咄嗟に電柱の陰に隠れようとして愕然とした。
電柱が「木」でできている。昔の電柱だった。もう意味がわからなくて泣きそうだった。そんな間に、母親っぽい人は道路を渡り切って自分の少し前を、
たぶん同じ家に向かって歩いて行く。
自分もとにかく家に帰りたい一心でなんとか歩きだした。<つづく>
- 513 :本当にあった怖い名無し:2013/09/23(月) 00:49:48.74 ID:ZoqfIpx3I
- <つづき>
母親っぽいひとは、自分が曲がる角と同じところを曲がった。
「やっぱり母ちゃんだ」と思って、追いかけようとして角を曲がったら、
急にヘッドライトに照らされてびっくりした。それは幼馴染が運転する車で、窓を下ろしてくれた彼女と「久しぶりー!」とかやったあと、
おかしいことに気づく。
15時半くらいに花屋を出たはずなのに、もうヘッドライトをつけるような時間になっている。
時間を聞くと「18時半過ぎ」。なんだか怖くなって後ろを見ると、
工場なんかない、いつもの駐車場があった。幼馴染と別れたあと半泣きで家に入ると、ソファーで犬を膝にのせてテレビを観る母親の姿が。
「本屋で立ち読みでもしてたのかと思った」とかいう母親に、しなしなになった花を渡し、
事の顛末を話すと「おばあちゃんが昔工場でパートやってたけど…」と言っていた。
花を活けつつ「お彼岸だからかもねー」とつぶやいた母親と、
遺影のおばあちゃんはそっくりだった。工場から出てきたのは母親じゃなくて、おばあちゃんだったのねー
にしてもびっくりした。
まだ混乱しているので、文章とか改行とか変だったらごめんなさいー。
おわり
『第3135話 母親っぽい人』へのコメント
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名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2013/09/25(水) 15:54:35 ID:290ef4974
死んだはずのお母さんが工場から出て来た話かた思った。
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名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2013/09/25(水) 23:03:23 ID:da1a3cf58
いいなあ、なんかこういうの好き
場所の記憶が見れたとかいいなあ -
名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2013/09/26(木) 01:35:34 ID:37a63dc26
故人を偲ぶ…
お彼岸にはピッタリとした話ですなぁ -
名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2013/09/26(木) 01:42:42 ID:53474b70f
電柱の陰に隠れようとする人なんて実在するんだ…
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名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2013/09/26(木) 13:56:16 ID:016cb56bf
周りに何もなければ「物陰」ってことで電柱でもなんでも使うだろ
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名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2013/09/26(木) 15:32:47 ID:26c574a0f
身よりの無い寂しい一人暮らしが、
「母親っぽい人」「父親っぽい人」「兄っぽい人」「妹っぽい人」…
と、次々現れる黒い影人間達と家族っぽく生活していくという
深夜アニメの企画はどうだ? -
名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2013/09/26(木) 20:47:16 ID:7084334a8
昔天井桟敷の芝居でそんなのがあったな。家族というものを、経験の共有や血の繋がりなどとは無関係に成立する取り替え可能な共同体として我々は了解し得るか否か世の中に問おうと言うんだろう?こんな時代にそういうのをアニメでやるのは面白そうだな。
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名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2013/09/27(金) 19:10:26 ID:00604e383
母親生きてるのかよw
母親の墓参り用の花かと思った -
名前:怖い名無し 投稿日:2013/09/28(土) 23:14:59 ID:ea27eead5
1980年代までの長野県岡谷市は、本当にタイムスリップしたんじゃないかと思わされるような工場や、異界に迷い込んだんじゃないかと思わされるような建物が、たくさん有る町だった。歩いているだけで、ガキの頃みたいにワクワクさせられる楽しい町だった。繊維工場で、思い出した。
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名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2013/09/30(月) 08:48:12 ID:c7d528a4c
本スレがあんなんだから、こういうの埋れちゃうんだよな。
盆とか彼岸って、こっちとあっちの境界が曖昧になるんだろうか? -
名前:名無し 投稿日:2013/10/01(火) 02:25:46 ID:d39bce900
「場所の記憶」とちょっとだけ似てるよね。
会えるはずのない人と会っちゃう話って、なんか切なくて、でも好きなんだな〜。 -
名前:工業学科 投稿日:2013/10/06(日) 09:10:25 ID:8cee39acd
興味深い出来事です
思念に時空をズラす作用があるのでしょうか?
なんとも興味深い -
うわー!すごいですねー!タイムスリップみたいなやつですか!?おばあさんお母さんとすごいにてらっしゃったんですね!!
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名前:名無し 投稿日:2014/05/17(土) 01:42:27 ID:872e3e0e9
明子姉ちゃん…。
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名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2014/05/24(土) 05:32:34 ID:efdf2da76
ずっと電柱の所で立ち止まってたら元の世界に戻れないのかな。
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名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2016/10/27(木) 07:14:47 ID:d5a27fae0
面白い
花だけはその通りの時間を経過していたのか