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第2004話 霊感後輩

120 :本当にあった怖い名無し:2010/09/22(水) 20:39:23 ID:L9kgudE40
初投稿です。よろしくお願いします。

大学の頃サークルのある後輩(以下A)は霊感が非常に強いことが知られていた。
Aが一人トイレに行き帰ってきたら元気がない。どうしたと聞いてみると、
「あそこのトイレ気持ち悪いなぁ思ってたんやけど、さっき変な女見たわ。やっぱあっこのトイレ使わんかったらよかったー。」てなエピソードがたくさん。
俺は幽霊とか見た事はない。もし自分の部屋に幽霊がいても気付かないし知りたくもないので、
「俺のうちで幽霊とか見ても俺には言わんとってや~。」
とAにはいつも言っていた。

121 :本当にあった怖い名無し:2010/09/22(水) 20:41:12 ID:L9kgudE40
ある夏、Aと俺を含む四人で音楽イベントに行く事にした。イベント会場は俺の実家が近いので、みんなを連れて帰ってご飯でも食べようってな事になった。
俺の実家は町からちょっと離れた古い村で、やや霊感のある父が道端で例の様なものをたまに目撃していた。俺はAの幽霊目撃発言を恐れ、
「変なモン見ても怖いから言わんとってや~。」とAに言っておいた。実家に幽霊がいるなんてわかったらたまったモンじゃない。

じいちゃん、ばぁちゃん、父、母、みんなでごはんを食べ、縁側でスイカを食べたり時間はのんびりすぎた。
Aもしじゅう楽しそうだった。
やがて帰る時間になり、母が駅まで送っていってくれるということで、みんな車に乗り込んだ。
村が遠ざかり、車窓の風景が町っぽくなってきた。俺はAに質問をした、つい。
「幽霊とか見んかったよな?」
「全然見ませんでしたよ。静かなええ村ですね。途中の暗い坂道あったでしょ?あそこのちょっと気持ち悪かったけど、なんも無いでしょうね。暗い道好きちゃうんで俺の気のせいでしょうね。」
楽しそうに話すAを見て俺はホッとした。
話題は俺の家族が俺に似ているとか田舎くさいとか、どーでもいい話題でになった。ご機嫌なAは言った。
「でも先輩んちスゴイっすね、家族多くないっすか?おじいちゃん2人もおるじゃないっすか!」
車内の空気がいっぺんに変わった。A以外全員口を開け、ポカーンとなった。
空気を読んだAが

「すんません。」

と謝った。
A曰く、悪霊ではない幽霊がハッキリ現れると人間と区別がつかないらしい。
外見の特徴を聞いてみると曾祖父さんだった。うちのじぃちゃんばぁちゃんと並んで座っていたようだ。それがあまりに自然にみえたそうだ。

おわり。

長文失礼しました。

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