- 42 :本当にあった怖い名無し:2011/07/05(火) 17:07:05.15 ID:SgKMkM0s0
- 私が中学生のときに、父方の祖母宅に泊まったときの話。
祖父は父が高校生のときに亡くなっていて、
私が2歳のとき父の仕事の都合で家族が引っ越してからは
祖母はずっと一人暮らしだった。
それからは1、2ヶ月に一度は家族で顔を見せに行って
祖母宅に泊まっていくことが習慣になっていた。その日の夜も、いつものように祖母が仏間に私達兄弟の布団を敷いてくれた。
寝る場所はいつも決まっていて仏壇のちょうど前に私が、その横に兄が寝ることになっていた。
布団に寝ると、頭の先に仏壇があり、天井を見て少し左を向くと祖父と曾祖母の遺影が見える。 - 43 :本当にあった怖い名無し:2011/07/05(火) 17:10:05.16 ID:SgKMkM0s0
- その夜はなかなか寝付けなかった。
不意に一人暮らしの祖母について考えてしまったからだった。
『一人暮らしは寂しいんだろうな…、この先祖母に介護が必要になったらどうなるんだろう…、
ウチの母は祖母のことあまり好きではないようだし、大変なことになるんだろうな…』
などとぐるぐる考えていると、仕舞いには祖母が死んだらどうなるんだろうとまで
考えてしまうようになってしまった。 - 44 :本当にあった怖い名無し:2011/07/05(火) 17:12:58.67 ID:SgKMkM0s0
- もう眠れなくなったので、あきらめて目を開けてボーっとしていると、
ふと視界に違和感を感じたのでその方に目を向けると、違和感の正体は祖父の遺影だった。
暗くて視界がぼんやりしているせいかもしれないが、祖父の遺影の口が動いているように見えた。
私はびっくりしてしばらく眺めていたが、やっぱり口が動いているように見える。
私はしっかり確かめようと立ち上がり、遺影に目を向けた瞬間、耳元に衝撃が走った。 - 45 :本当にあった怖い名無し:2011/07/05(火) 17:15:01.30 ID:SgKMkM0s0
- まるで右耳のすぐ近くでシンバルを叩かれたような衝撃が3回。バン!バン!バーン!と。
私は思わず尻餅をついてしまった。音が聞こえたわけではなかったが、
まだ耳と頬の上辺りはさっきの衝撃でヒリヒリしていた。
もう一度遺影を見てみると、別に口も動いておらずいつもと変わらない祖父の遺影がそこにあった。 - 46 :本当にあった怖い名無し:2011/07/05(火) 17:17:37.74 ID:SgKMkM0s0
- 父に生前の祖父の事を聞いたことがあるが、それはもうおっかない人だったそうで、
怒ったときの手の出しっぷりは尋常ではなかったらしい。
この出来事は目が霞んでいただけで多田野たちくらみともとれるけど、
自分の勝手な解釈で、祖母の死なんて考えた私に祖父がビンタを見舞ったんだなと思っている。