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第3260話 探検

247金曜日 :2014/05/22(木)02:46:17 ID:Em3eAjYtO
先日の話俺は就職で地方に出ていたが
GWなので暫くぶりに実家に帰省する事にした

両親は共に定年を過ぎている
二人はとうの昔に離婚し母親のほうは再婚して旦那もいるので、独りマンション暮らしをしている親父のほうを案じて先に寄る事に決めた。

久しぶりに会った親父の顔は自分が想像していたより老いていた。
でも 清掃員のアルバイトをしているし
趣味のゴルフにも打ち込んでいるようで元気らしかった。

思ったより早く付いて安心したのか俺は昼前にウトウトして眠ってしまった……

!!!!!!!!!!!!!!!!!!

『!!?』
驚いて目が覚めた !
何か……女性の悲鳴を聞いたと思った
テレビは付いてない
他の部屋の住人 ?! そんな感じじゃなかった…………何だろう

時計を見ると14:30を回っていた。

親父は居ない……「何処行ったんだろ ? 」

『打ちっ放しに行くって言ってたわよ』
母親が教えてくれた。

打ちっ放しのゴルフ場は近いので歩いて行ってみるか……
思い外に出た

248金曜日 :2014/05/22(木)02:49:16 ID:Em3eAjYtO
ゴルフ場へは歩いて30分程度
でも 町を少し出て山あいを進んだ場所にある自販機で飲み物を買い、ゴルフ場に通じる道に出るため町を下りて行った

町を少し出た その先に少年が1人立っていた。

『何してんだろう独りで… ? 』

進むと少年は
「オレ探検に行くんだ !! 」
と言って駆けて行った……

直ぐその先、林の入り口 ? みたいなとこで立っている
『立ち入り禁止だろここ…』

「一緒に行くか !! 」
「え ?! 」

その先は不気味な雰囲気のところだった


http://s-up.info/view/201201/177150.jpg

251金曜日 :2014/05/22(木)13:32:46 ID:Em3eAjYtO
返事を待たず少年は藪の中へ入って行った”○○○病院所有地”

行って大丈夫なんだろうか ?
付いて行く事にした。

少年は黙々と藪の中へ分け入っていく

『友達とかいないのかな ? 』
暫く進んだ後
少し開けた場所に出た

「この階段登ってくぞ !! 」

言った先の斜面に沿う様に
古びた階段が続いていた


http://s-up.info/view/201201/177151.jpg

254金曜日 :2014/05/22(木)20:27:46 ID:P1TFB419i
「はやく !! 」急かされ続いた。

結構な高さの段を上って
丘の上まできた

見渡すと森が広がってるだけで
何もない

「あそこの箱まで行く !!」

指指した下の方に小屋らしきものがある

『…… ?!』
ここは所有地だし、この先はマズイんじゃないか ? 簡単に下りれそうもない……

話そうとしたら
さっさと先へ歩いて行った

小屋への行き方も分かってるらしい


http://s-up.info/view/201201/177252.jpg

264金曜日 :2014/05/28(水)22:50:00 ID:LRuGg3MfC
「あそこまで行ったことあるの ?」返事をしない。

そうだ!
営業の仕事してるときに子供にあげるキャラクターシールが財布に入ってたんだ、
少しは間が埋まると思い少年に差し出した

「スゲー !! 」

良かった
食い付いてくれた !
「好きなの1枚あげるよ」
言うと夢中になって選びだした

…………絞れないみたいだから、全部あげると言うと
「スゲー!やった !! スゲー!」

めちゃくちゃ興奮して喜んでる

「ねえ、あそこに何があんの ?」

「……ドアが開かないから開けてほしい」

少年の話だと自分じゃ開けられないらしい
一人では行かせられないので付き合う事に決めた

小屋までは距離がないように感じたけど
大分迂回し、結構な距離を下った

そして降りきると、
それは 小屋じゃなくコンテナがあった。

265金曜日 :2014/05/29(木)00:16:17 ID:3aTeB80tw
『何これ ? 』……いつから置いてあるんだ ?

コンテナの周りには背の高い藪が囲ってあって 掻き分けると扉に簡単な構造でロックされてる取っ手が付いていた

『こんなのよく見つけたな』そう思った。

ロックを外し取っ手に手を掛ける

「開く ?? 」

「大丈夫か…な…」

緊張した。
軋みながら 引っ張ると扉が少し開いた

「わっ !! 」
「!!」

………………?!

扉の中から風が吹いて来てる

『何これ ? 』
「早く !! 」

「…うん」「早く!!」

わかったよ!
思った矢先

「人がいる !! 」

270金曜日 :2014/05/30(金)04:34:49 ID:tJGTiADfR
意味がわからず
その言葉にビクッとした。「人がいる…」

少年の指した方向を見て理解した
もと来た丘の上に人が立っていた。
進入したのがバレた…… ?
『!!』
丘の上にいた人が下りて来る
迂回もせずに……

見つかってるのか ? でも向こうからは死角…それでも直接向かって来てると感じる

逃げよう。

来た道と反対側に少年の手を取って走った

271金曜日 :2014/05/30(金)04:35:23 ID:tJGTiADfR
来た道と反対と言っても道じゃ無い
ただ藪の中を逃げた。「大丈夫?」
少年が辛そうなので おぶって急ぐ。
いくら植物を分け入って進んで来る人でも簡単には追い付かないだろう……

「揺れてる !! 」

『!?』
地震 ? そう思って止まった、でも揺れて無かった

揺れてない…そう思ったけど揺れていた

揺れてないけど揺れている
矛盾した言い方だけど、動かないけど振動している。そんな感じがした

「「確かに揺れてるね……」」

?!なにか違和感がした
言葉がブレてる…… ?!
もうひとつの自分の意識が自分に重なるように少しズレて付いて来てるような、
そんな感覚だった

「「気持ち悪いっ !! 」」

只事じゃない。
ここにいるとヤバい、とにかく森を出よう!

272金曜日 :2014/05/30(金)05:43:03 ID:tJGTiADfR
闇雲に移動した訳じゃないここまでの距離を考えれば 方角が合っていればゴルフ場の方に出るはず。
祈る気持ちだった
思考すらもブレて付いて来てる

「「怖いよ !! 」」

この子が気の毒に感じた、来る前に止めれば良かった……
そう思った先に開けた場所が見えた

良かった !
ゴルフ場があった
人のいる場所を見つけて安堵した。

陽は結構傾いていた……

親父を探そうと思ったけど、少年を優先して早く家に帰そうと決めた

ゴルフ場から町の入り口までは一直線の道路だ、途中 森の入り口はあるけど車の交通量が多いから 森で見た人と出くわしても、他の人の目があるから何とかなるだろう。
あの気持ちの悪い感覚も消えていた

273金曜日 :2014/05/30(金)05:43:31 ID:tJGTiADfR
無事町まで戻ってきた。少年を家まで送り
自分も親父の家に戻った
……まだ親父帰って来てない

すごく疲れた……
あそこは何なんだろう ? コンテナの中身の事とか考えてたらウトウトしてきて眠ってしまった……

そして親父に起こされて目が覚めた
時間は20:00を過ぎていた。

GW中はそのあと母親にも会いに行ったけど不思議と今回の出来事は一度も思い出さなかった……

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