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第296話 岩場のドア

647 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :03/06/06 12:34
高校時代妙な体験をした。あまりに妙なのでこれまで一度もまわりから信じてもらったこ
とがない。でもほんとうに体験した100%の事実。

高2の秋。
私の通う高校は文化祭などはまったく無関心なくせに体育祭(というよりその応援合戦)
にだけは非常に力を入れていた。各クラスが趣向を凝らした応援をするのだ。
私のクラスは応援席のうしろにおおきな立て看板をつくることになり、支柱にする木材を
探すことになった。クラスのAが木材ではないが竹ならただで手に入る、というので竹に
決まった。なんでもAの家はちょっとした山を持っており、そこに竹薮もあるというのだ。

早速土曜の午後に竹を伐採にいった。Aと私のほかに3人、合計5人。
竹薮はちょうど山の一番低いところにあった。竹薮のまんなかに細い道(むろん舗装など
してない)があり、山(といっても高さ100mくらいか?)に続いていた。
竹を切り始めたとき。山道の遠くの方から妙な音が聞こえてきた。
ミィーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
人の声でもない。動物の吼える声でもない。機械がだすような音。だが、なんの音かわか
らない。電動のこぎりかなにかかとも思ったが、Aは今日は誰もこの山に来てないはずだ、
という。それに第一、電動のこぎりのようなエンジン音ではない、別の種類の機械から出
る音だった。木などを切っているのではない。でも誰かがなにかの機械を山のなかで使っ
ている……5人は顔を見合わせて不思議がった。

648 :あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] :03/06/06 12:36
さげにするおわすれた
つづき

ミィーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
ふたたび音がしたとき、私はのこぎりを片手に音のする方にむかっていた。気になってし
かたなかったのだ。ほかの四人もついてきた。同じ気持ちだったようだ。
この山に詳しいAを先頭に山道を登って行く。

ミィーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
また聞こえてきた。
音は山道から少しそれた林の方からしていた。ほんの少し歩いた時急に先頭のAが立ち止まり、全員を制すと右の方向を指さした。
指さす方向にあったのはドア。特撮番組の秘密基地さながらに岩場にドアがついていた。
金属製の重そうなドアだが取っ手がない。どうやって開け閉めができるのか、とにかくへ
んな場所にへんなドアがついていた。
そのドアは開け放たれていた。奥は暗くてよくは見えないがなにやら通路が続いている。
この奥からあの音がした。確証はなかったが誰もがそう思った。
「おいA、なんだこのドア?」
「知らない。こんなものいつできたんだ?」
Aはまったく知らないという。こんな変なものは見たことがない、Aは中を覗きながらぶつ
ぶつとそんなことばを繰返していた。そしてこちらを振り返り、「とりあえず中を確かめ
てみようぜ」と言った。

649 :あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] :03/06/06 12:37
ドアが突然閉まって閉じ込められたら洒落にならない、ということで開いたドアの下に大
きな石を置いて閉まらないようにしてから、怖いからいやだというB、C2人を残して3人
で中に入ることにした。通路に入るとかなり暗くよく見えなかった。喫煙者だった私たち
はジッポーを取り出し蝋燭がわりにした。壁を触るとごつごつとした岩の感触がした。し
かし自然にできたものでないことは明らかだった。機械で掘ったような直線的なあとがい
くつもあったのだ。通路の広さはひとひとり通れるほど。

10mもいったらすぐに「部屋」と呼べるような広い場所に出た。そこで終わり。なにも
なかった。誰かがいた形跡すらない。ここじゃなかったのかな、などと話をしていると、
「おーい、もどれ!もどってこい!」
と入り口から声がする。
残った2人が叫んでいた。あせったような叫び。尋常でない感じがして急いで戻ると、
ドアが動いている。石だけでは押さえにならなかったようでふたりも必死にドアを押しも
どしていた。私たちが外に出て5人ともがドアから離れると、

ミィーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
という大音響ともにドアが閉まった。止め石が通路をごろっと落ちていくのが見えた。
あの音はこのドアが開閉するときの音だったのだ。
Bの言うにはなんの前触れもなく突然動き始めたという。それで慌てて押さえていたがドア
の力はだんだん強くなっていったそうだ。もう少し私たちが遅かったら閉じ込められてい
たかもしれない。
夕方になっていたこともあり、翌日もう一度調べようということになり、翌日5人でもう一度
この場所に行った。しかし、なぜかドアは見つけられなかった。むろん通路もなくなっていた。

Aとはいまもつきあいがあるが、その後一度もドアについては見ていない、という。岩場も異常
がないし、あの音ももうしないという。

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