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第338話 ゲンゴロウ

25 :あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] :04/01/25 22:37
小学ニ、三年生の頃の話。
俺は、当時通っていたピアノ教室に向かってだだっ広い空き地のど真ん中を歩いていた。
すると、何の脈絡もなく、俺はいきなり横から何かに突き飛ばされた。
視界の隅に何か黒いモノが映って、俺はそれを、
「ゲンゴロウの殻みたいだ」
というように感じた。実際、それは黒くて湾曲していてタテにスジがあって、巨大な
ゲンゴロウの殻としか思えないようなシロモノだった。後に「アレは落ち武者の霊の鎧か」
というようなことも考えたのだが、やっぱりどうも無理があって、ゲンゴロウという表現が
結局一番しっくりきた。
普通、人は視界の端に何かが映ったら、反射的に瞬間的にそちらの方を向こうと
するだろうし、俺も転びながらそうした。でも、そこにはもう何もなかった。首を曲げて
しっかり何なのか見極めようとする、一瞬のうちにゲンゴロウは消え去った。
でも俺はまさにその瞬間に、突き飛ばされて転びかかっている以上、見間違いやなんかでは
ありえない。地面に尻をついてから、俺はあたりを見回したが、何もないし風も無い。
 俺はしばらく呆然としてから、ピアノ教室に向かって帰って、すぐ親に報告した。
親もその事を覚えているので、夢ではない。それに当時の俺の自我はすでに確立していた。

 これが俺の生涯ただ二回の不可解体験の一つ。
 あれがなんだったのかは判らないけど、なぜかあの時も今も全く恐怖は感じない。
 あれはこの辺の神様かなんかだったんだろうくらいに思うことにしてる。

36 :25[sage] :04/01/26 19:03
>>26
俺の視界に映ったのは、ゲンゴロウの殻の、半分よりちょっと上くらいから、
てっぺんが見えないくらいのところまでで、その部分が、俺の肘の上から、首の横
くらいまであった。だから、全体の大きさは少なくとも50cm以上にはなると思う。
ゲンゴロウのカラの一番張り出しているところが殆ど俺と接触してたにもかかわらず、
てっぺんのところは俺の視界に映らなかったわけだからから、結構湾曲してたと思う。

 材質はそう金属的な感じはなかった。なんか「爪」みたいな、有機的な硬さ。

 それと、ゲンゴロウがピラミッド型の存在とかでなく(その可能性も大いにある)
ホントのゲンゴロウみたいにしっかり楕円形だったとしたら、多少宙に浮いていないと
大きさ的に辻褄が合わないかもしれない。この辺は試してみないといけないかも。

今、ふとゲンゴロウの殻みたいなものを頭に被っている小さい子供や老人のイメージが
浮かんだ。今まで先入観に囚われて、よく全体像を想像していなかった。
こういうふうに整理しなおす事が出来ただけでもここに書き込んで良かった。

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