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第368話 用水路

672 :あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] :04/07/22 15:06 ID:uoQtkCXz
私が3、4歳くらいの事だからもう20年前になるだろうか。
今は東京に家族全員で暮らしているのだが、この頃は祖父母の住む新潟の大豆(この漢字でよかったよな…)という所に住んでいた。
ある日、私が一人で家の外に出ると、目の前の道の脇にあるコンクリートの用水路の方まで駆けていった。
この用水路というのは堀が深いドブに蓋が外れてるようなやつで、わりと綺麗でいつもチョロチョロと細く水が
流れていた。中を覗き込むと、見知らぬ小学生の女の子が二人で遊んでいた。
こちらに気付くと「おいで、一緒に遊ぼう」と誘ってくれたので嬉しくなった私はすぐ下に降りて彼女達と遊んだ。
何をして遊んだかは覚えていないが、底の水をバチャバチャ踏んだのですぐにずぶぬれになった。
と、上で「何やってんだ!」という声がしたので見上げると、祖父がいた。服が濡れていたので何か怒っている。少し待ってろと言って
祖父は一旦家に戻った。女の子たちは互いに顔を見合わせると、「じゃあ私たちもういくね」と言い、途中で蓋が閉まってトンネル状になっている方向
へ帰っていった。トンネルといっても中は真っ暗で狭いしクモの巣だらけだし「何であんな所から帰るんだろう」と幼心に思った。するとすぐに祖父が
毛布を持って戻って来て私を引き上げた。「あたしいまあの子達と遊んでたよ」「何言っとるんだ、お前が一人だけで用水路で遊んでただろうが」と言った。
先ほど祖父が覗き込んだ時には彼女達は絶対に居たのに、何でそんな事を言うのかと私は解せなかった。
あれ以来、あの女の子を見かけた事は一度も無い。
全く怖くないんだけど、幼い頃の記憶の中でとりわけ強烈に残ってる出来事だった。
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