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第437話 母親の遺影

568 :566[sage] :04/11/19 13:16:35 ID:gTJ4kA1a
んでは。

そのおじさん(Aさん)に古くからの友人(Bさん:仮にマサアキとしる)がおりました。
AさんBさん共に40半ばくらい。
私もBさんは何度か見かけた事が御座いまして、普通のカメラ好きな普通のおじさんでした。

Aさんは早くから結婚しておりましたが、Bさんは40半ばにして独り身にして親と同居。
家は古めの一軒家(2階建て)。
(Bさんの父親の話は聞いた事がなく体験談にも出てこなかったので居ないのだと思われます。)
で、Bさんは特に結婚相手を捜すでもなく、普段から高価な一眼レフカメラを数台ぶら下げて
ふらりふらりと写真を撮って楽しんでいたようで、そんな息子を母親はいつも心配していたそうです。

ある日、Bさんの母親が亡くなったとの事。
Bさんは親戚も少なく独り身。色々大変だろうと思いAさんは職場を休みお通夜やらなにやら
色々手伝おうと思い泊まり込みで出かけていきました。

そんなある夜の

事。

その日やるべき事を色々とすませ午前1時頃二人とも就寝したそうです。
外は少々強い風が吹いておりまして、布団に入ってもガタガタガタガタと雨戸がうるさく、
AさんもBさんもなかなか寝付けなかったようです。

569 :566[sage] :04/11/19 13:17:37 ID:gTJ4kA1a
そして…。
Aさんはふと人の声のようなものを聞いたような気がしたそうです。
しかし外は強い風。
「すきま風だろう…。」
また少しすると人の声らしき音が。
「うるさいな…」
…また音が…。
Bさんに聞くと、彼も同じ音を聞いてました。
二人とも気のせいだと思い…また寝ると…
『……キ……』
『…ァ……』
と。
ガクガクブルブル。
それを何回か繰り返しているうちに二人とも玄関か雨戸かが締まっていないのだろうと結論付け、
階下に降りて見回る事を決意したようです。
疲れて重い体に鞭打って、眠い目をこすりつつヨタヨタと二人で階段にさしかかったとき、
電気の消えた真っ暗な1階の方から・・・
『……マ……キ……』
『……』
『…マ……サ………キ…』
そして今度はハッキリと聞き取れるくらいの母親””””の声で
『…マ…サ……ア…キ……や…』
と聞こえたそうです。
570 :566[sage] :04/11/19 13:18:32 ID:gTJ4kA1a
二人とも飛び上がって驚き腰抜かし顔見合わせ、こりゃただごとじゃない!と、ビビリながらも
階下に降りていったのですが、これといって不思議な影なども見あたらず、
玄関・雨戸もしっかりと施錠されていたそうです。
AさんもBさんも、疲れているからそんな声が聞こえたんだろうな…と話し合い、
遺影が置いてある部屋に入って初めて気がついたそうです。
ほほえんでいた母親の遺影が泣き顔に変わっていた事を。

それは誰がみても「あぁ、お母さん泣いているね…」と言うくらいハッキリと
泣き顔になっていたそうです。
その体験以降のAさんの顔の青さといったら尋常じゃありませんでした。
その後私はAさんに『お前もしっかりしないと母さん泣くぞ!』って説教されました。

まじっすか。

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