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第453話 親父の予言

898 :本当にあった怖い名無し[sage] :04/12/19 06:46:51 ID:5CSDDWKJ
数年前、親父が死んだ。食道静脈瘤破裂で血を吐いて。
最後の数日は血を止めるため、チューブ付きゴム風船を
鼻から食道まで通して膨らませていた。
親父は意識が朦朧としていたが、その風船がひどく苦しそうだった。
その親父がかすれた声で「鼻を入れ替えろ、鼻の名前を入れ替えろ」と言った。
名前?俺や家族は、「チューブを通す鼻の穴を入れ替えろ」という意味だと思ったんだが、
『名前』というフレーズの意味が分からない。
結局「意識も混濁してるようだから言い間違えくらいあるだろう」という結論になった。

親父はその次の日亡くなった。慌しく葬式の用意。
その用意中、献花の配置がおかしいことにお袋が気づいた。
遠縁の親戚からの花が真ん中にあって、親父の勤めてた会社社長からの花が
端っこに追いやられてたのよ。そして葬儀屋に言った訳だ。
「すいません、あの二つの花を入れ替えてください。大変でしたら、花に付いてる名前を入れ替えてください」
その時、俺と祖母が同時に気づいた。「お袋・・・今、なんて言った?」

「『鼻』の名前を入れ替えろ」「『花』の名前を入れ替えろ」
親父はこのことを言いたかったのだろうか?お世話になった会社社長に失礼を働くのが嫌で、
こんな予言を残したのだろうか? 
もう、真実は分からない。その社長はとてもとても良い人で、母子家庭になった我が家を助けて
くれた訳だが、それはまた別の話。長々と雑文失礼しました。

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