不可解・不思議体験まとめサイト【エニグマ】

第570話 私だけ落ちる

934 :本当にあった怖い名無し[sage] :2005/06/10(金) 00:34:59 ID:EzccWwEW0
去年あった話。
学校の選択講義で、希望人数が多すぎたため抽選になった。
希望人数が40人、受講の出来る人数が25人くらいだっただろうか。
私は同じ学科の知人5人と聴講票を出して、講師がその場で当落を
発表するのを聞いていた。講師が選んだ聴講票に書かれた生徒の名前を読み上げ、
名前を呼ばれた生徒が前の方から着席していく。
その内、1人、2人と学科の知人が呼ばれて、3人が呼ばれ、知人たちの内、
残っているのは知人Aと私2人になった。残っている席はもう少ない。
その時間枠で、その科目を取れるのはその講義だけ。Aは諦めモードになっていて、
愚痴りながらもこの時間が空きになったらどうしよう、と時間割をめくっていた。
そのとき私はふとある予感がして、Aに言った。

「大丈夫だよ。私は落ちるけど、あんたは受かるから。多分私達の中で私だけ落ちる」

えぇー、そんなことないよ、と笑うA。残っている席が少ないのを見て、教室の後ろの方では
もう諦めたらしい人たちがぞろぞろとドアから出ていく。
そうこうしている内、講師が最後の名前を読み上げ、聴講票を机の上に置いた。今まで呼ばれた
名前の中に、私とAの名前はない。ほら落ちた~、と笑いながら嘆くA。が、当選した生徒たち
が座っている机の中に、一つだけ、聴講票が置かれたまま空席になっている席があった。
当選したのに気づかなかったのか、その前に受かるはずがないと思ったのか、
教室を出ていってしまったらしい。
これが最後のチャンスだよ~、と講師がもう一度名前を呼ぶが、聴講票の主は現れない。
講師は肩をすくめて、一度落選した生徒たちの聴講票の中から一枚を取り出し、読み上げた。

呼ばれたのはAの名前だった。

びっくり仰天して私を賞賛するA。荷物をまとめる私。知人たちにすごいねー、と言われつつ
教室を出る私。
…昔からなんだかこういう勘だけは鋭いけどちっとも嬉しくないよ畜生。・゚・(ノД`)・゚・。
予言があたったお祝い(?)にお菓子奢ってくれるって行ったのにまだ何ももらってないよA…

モバイルバージョンを終了