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第634話 ある城下町にて

757 :本当にあった怖い名無し[sage] :2005/10/15(土) 18:28:47 ID:qVhmWIJo0
ちょうど5年前の今頃私は化粧品の販売営業をしていました、決められた地区
を一軒一軒回ると言うとても面倒な仕事です。ある城下町の担当の人が寿退職
し私がしばらくの間その町も受け持つ事になり嫌々その町に行っていました。
そこは昔ながらの家が建ち並び、車が通れないほど狭く昼でも暗い道がたくさ
んあるので歩いて町を回っていました、 細い路地に入ったときです鬼に合い
ました。
身長2メートルほどで黒い布からタイヤほどある大きな顔だけ出していておでこ
から角がたくさん生えていました。
鼻が大きくニタニタと笑っていました、後ろにはまるで二人羽織をしている
みたいに布が広がっていて後ろに6人ほどひとが一列に並んで入っていました
布が長くて足下しか見えませんが、サラリーマン風の足の後ろにハイヒール
を履いた女の人の足、長靴の子供…
怖くて声も出せないでいると先頭の鬼が布を少しめくってまるで入りなさいと
言っている様でした。私はただ嫌だと首を振っていると大きな顔は怒り顔に
なって路地の奥へと入って行きました、ゾロゾロと後ろの人達を連れて…
姿が見えなくなると私は急いで事務所へ戻りその場所の担当を辞めました。
その後私の同期が担当になりましたが、何事もなさそうでした

もうその仕事は辞めましたが今でも怖くてその城下町を一人では通れません

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