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第77話 都庁のエレベーター

206 :クランツ ◆Xgg113Pc :02/05/08 23:38
>>196サンの話を読み、思い出した記憶を。

5年ほど前、勤務先の都合で東京都庁に通い詰めておりました。
ある日、少し遅めの昼休みを過ごして事務所へ戻る途中に
庁舎1階で1階発・16階行きの各駅停車エレベーターを待っていたときのこと。
時間帯のせいか待ち人はオレひとり。…エレベーターの扉が開いて
反射的にカラダを脇に寄せるも、中は空。
何も考えずに乗り込み、行き先のボタンを押す。

…直後、言いようのない違和感を感じました。
エレベーターがどんどん下っていくんですよね、
行き先表示のボタンもいつの間にか消えてるし。
孤独が毛穴から沁み入ってきます。

数秒後、小さな揺れとともにエレベーターが止まると
扉の境を凝視しました。開くのかな、と。
しかし扉は開かず、わずかの間で再び浮上を始めました。
2度目に1階へ到着すると、何事もなかったかのように数名が乗り込んできたので
彼らの肩越しに手を伸ばし、もう一度行き先のボタンを押さなくてはなりませんでした。

たぶん保守の関係だと思うんですけど、行くはずのない地階にとどまっていた
ひととき、ウルトラQの名作「あけてくれ!」を思い出して高揚感を味わった
オレは根っからの特撮好きです、、

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