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第87話 隅っこの席

554 :チキン :02/05/26 06:46
おはよう。子供の頃の自分の体験をひとつ。

俺が幼稚園に通う前か通い始めたかの頃の話。
当時住んでた家は、田舎によくある様な古い家でした。
ご飯食べる所が10畳から12畳位の広さで畳敷き。
で、家は大工なんだけど、職人さんが4人程いたから家族7人含めて全員で囲める長方形の大きな食卓が置いてありました。
みんな座る所が決まってて、父が台所との仕切のくもりガラスの戸を背にして上座に、俺は父の左手側のすぐ角が定位置でした。
でも俺は一番角っこには絶対座らなかった。
必ず角には子供用の椅子(パイプで出来たアニメかなんかの絵がプリントされてるやつです)を置いて、自分はその隣に。
だからいつもみんなに「こぼしたりするから椅子に座って食べなさい」注意されていました。
でも絶対いやだったんです。
なぜかと言うとね、自分の右手側にあるくもりガラスの向こうが恐かったんです。
夏でも必ず閉めてあったそのガラス戸の向こうに、小さな人がいるのが(その頃の俺には)見えてたから。
そんで、椅子に座っちゃうと(つまり角に座ると)その人影が立っていて、そこを開けてこっちに出てこようとする様に立ち上がってるのが見える。もうはっきり見えてた。
でも自分とそのガラス戸の間に椅子があると、その人影がいなかったり、もし見えてても座ったままで動かなかったりしてた。
子供の自分は、その椅子を仕切や結界みたく思ってました。
なんつーかその椅子が安心感をくれてた様に記憶してます。
プリントされてた絵柄がウルトラマンかなんかだったのも大いに関係あったんだろうね。
その椅子は建て替えの時に親が捨てたそうですが、その時は大層ごねたんだと後で聞かされました。
今もたまにあの人影が当時の映像そのままに夢に出てきたり。
子供の俺がえらい恐れてたあの人影、なんだったんだろう?

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