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第94話 おじいさん

951 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/06/08 19:52
3~4歳ぐらいの頃の話。
当時、私の家族は一階平屋の借家にすんでいた。
私はそこで毎晩嫌な夢を見ていた。
真っ暗で、家の中をふわふわ漂う夢だ。
その家の家具一つひとつがくリアルで、今でも鮮明に思い出せる。

そして、そこにはおじいさんが居た。
上手く言い表せないが、おじいさんは全身が白黒映像のような感じで、
言葉の意味はわからなかったが
いつも私に悪態をついたり、愚痴を言ったりしていた。

つづく

952 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/06/08 20:01
ある日、母と一緒に叔母さんのマンションに遊びに行った。
階段を上り、叔母さんの部屋の前に着くと

そいつはそこに居た。

母は全くその「白黒おじいさん」の存在に気づいていなかったようだ。
そいつは満面の笑みで私に語りかけた。

「そこに手を置いてみろ。 お も し ろ い こ と が お こ る ぞ。」

そこはドアのちょうつがいだった。
その直後母はそのステンレス製の重たいドアを力いっぱい開いた。

953 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/06/08 20:10
次に気が付いたのは救急車の中だった。
左手の人差し指は辛くも切断を逃れた。

よく覚えていないが、その瞬間あいつは
ひどく大声で笑っていたのが聞こえた。

結局、その家から引っ越すことになった。
その家で人が死んでいたことを、大家が隠していたためだった。
近所の人の話で解かったらしい。
亡くなったのは一人暮らしの老人だった。

20年以上経ったいまでも、寂しく、切ない夢を見ることがある。
身寄りの無い老人が、ひとり街をさ迷う夢だ。

・・・書いてても寒気がします。
文章にしたらあまり怖くないかもしれませんが。

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