- 292 :本当にあった怖い名無し :2005/12/31(土) 02:18:17 ID:xggoclj70
- 今年の夏の体験。
私の家は山の上の方にある。夜、喉がかわいたので飲み物を買うため、500メートルほど坂を下ったコンビニ行くため
自転車にのった。
私の家からコンビニまでの坂の片側は、崖になっていて、崖の下には道路よりに樹がはえていてその向こうに
住宅などが建っている。
坂を下る自転車から見下ろすと、後ろに吹き飛んでいく木々の黒い梢の頂きのむこうに、住宅の屋根がコマ送りのように
流れていくのがみえる。その夜は晴れていて満月に近かったので月明かりで景色がよく見えた。
さてこの一段低くなった土地にたつ住宅地の中に一件の空き家があった。誰も住んでいないので、雨戸はいつも
締めたままになっていた。なぜか解らないが、ふとその家に視線を降ろした。すると屋根の上に奇妙な物をみつけた。
それは白いネグリジェをきた若い女性ようだった。彼女は二階のやねに膝を抱えて夜空をながめているようだった。
だったというのは、梢の黒い陰の間からちらりと見えたにすぎないからだ。
そのあと樹が密生している所にさしかかったので、しばらく女の座った屋根は見えなくなった。 - 294 :本当にあった怖い名無し :2005/12/31(土) 02:42:36 ID:xggoclj70
- 292のつづき
梢の陰で屋根がみえなくなったあと、私は先ほど屋根の上の女の不自然さに気が付いた。こんな夜中に、廃屋の二階の
屋根の上に若い女がいるなんてありえないことだからだ。だから私はなにかを見間違えたのだろうとおもった。
そう納得した時に、道路脇の樹木がとぎれてしばらく視界がひらけるところにきた。
私は女の座っていた屋根のある建物をみないようにしていたが、好奇心にまけてちらりとみた。
すると、いた。あの屋根の上に白いネグリジェをきた若い女がやはりいた。そしておそろしいことに私の方を見ているのである。
女の目は真っ黒で穴があいたような感じだった。女の洞窟のような目で見つめられると、金縛りにあったようになった。
目をそらそうとしてもそらせない。私は坂道を下るスピードに自転車をまかせていた。
そのうちその女が私ににこりと微笑んだ。微笑んだ様なきがした。樹がしたのは先ほどと同じく、自転車が再び
道路脇に木が茂っている所にさしかかったからだ。ようやく金縛りから身体が開放されて、気が付いたのは冷や汗でびっしょり
になっている自分自身だった。
すると再び樹がまばらになっている所にさしかかった。見えなくなったのはほんの数秒だった。
今度坂のしたに目をやったときには、もう屋根の上にはだれもいなかった。あの屋根のうえにいたのが生身の人間なら
あの短い間に姿を隠そうとおもったら、屋根から飛び降りるしかない。
結局あれはなんだったのだろう。大阪の南部でのできごと。
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『第681話 屋根の上の女』へのコメント
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名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2010/01/30(土) 11:44:00 ID:8c4e72f1f
怖すぎ
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名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2010/09/04(土) 05:38:45 ID:78ae26a1a
これはすごい!
下手な「読ませる長編」なんかより、こういう方がよっぽど怖い。 -
名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2010/09/06(月) 14:16:05 ID:b839d9c7b
いくつか誤字はあるが、それを考慮しても充分にゾッとさせられる優秀作だと思う。
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名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2012/07/26(木) 09:20:52 ID:f1ca4f296
怖ぇよ…(>_<)
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名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2014/01/11(土) 20:36:46 ID:597596b5e
コンビニにいった、てことは帰りはどうだったのか????
坂の上にいたりして -
名前:名無し 投稿日:2014/06/01(日) 01:49:17 ID:c7b2b9911
主の視力が羨ましい。
読まなきゃよかった…死ぬほど怖い涙