第692話逃がしてしまった神

2010/8/7（14年前） 2010/8/10 Part30, 喜一じいちゃんシリーズ 18

525 ：本当にあった怖い名無し[sage] ：2006/01/10(火) 00:55:55 ID:RUvjkLBT0: じいちゃんの昔話をします。
家は昔質屋だった、と言ってもじいちゃんが 17歳の頃までだから私は話でしか
知らないのだけど結構面白い話を聞けた。
田舎なのもあるけどじいちゃんが小学生の頃は幽霊は勿論、神様とか妖怪やら
祟りなど非科学的な物が当たり前に信じられていた時代でそう言った物を質屋
に持ち込む人は少なくは無かったそうだ。
どういった基準で値段をつけていたのかは分らないが、じいちゃん曰く「おやじ
には霊感があったからそう言う神がかった物は見分ける事ができたんだ」と言
っていた。
一番印象に残った話を書きます。
喜一じいちゃんが小学生の頃の話。壷や皿、人形に石…蔵は薄暗く物がとにかく
多い、子供心をくすぐられおやじに怒られるのを承知で喜一はよく遊んでいた。
中でも喜一が興味をもったのは竹で作られた笛、作りは荒くて誰かの手作りの
ようだった。
笛何て吹けないのにどんな音が出るのやら？と喜一が吹いてみると「ぴょろろ～」
と音が出た！ただ音が出るだけじゃ無くちゃんと音楽になっていた！音を変える
穴がある笛では無く、只の竹筒の笛なのに空気を吹込むだけで音楽が鳴り出し聞
いた事も無い音が蔵中に響いた。
526 ：本当にあった怖い名無し[sage] ：2006/01/10(火) 00:56:59 ID:RUvjkLBT0: つづき
不思議だなぁと思い笛を覗き込むと竹笛の中には綿が詰められていた…
「綿が詰まっているのに音が出るなんて…？？」不思議に思った喜一は綿を抜い
て覗いて見たが、只の竹笛である事に変わりは無かった。もう一度吹いて見ると
ニョロっと白い物が出て来た！？よく見るとうどん程の蛇が出て来たのだ。
蛇は笛から飛び出るとサササっと逃げて行ってしまった。
何が起ったのかよく解らず、ボーっとしていると蔵の扉が開いた。
扉の向こうには鬼の形相をしたおやじが立っていた…案の定こっぴどく叱られ、
蔵での出来事を話すと「笛の音がしたからまさかと思ったら…あぁ～これじゃ
商品になりゃしねぇ」と愚痴るとおやじが喜一に笛をポイっと投げ渡した。
「もう一度吹いてみろ」と言われ恐る恐る吹くと音が出ない…何度強く吹いても
優しく吹いても空気が吹出る音しかしなかった「いいか、お前が逃がしちまった
物は大事な神さんだったんだよ！これに懲りたら二度と蔵の物に手ぇ出すな！！」
と怒られたのでした。
しかしこの話を聞いた後もじいちゃんから蔵の商品の話をいくつも聞いたので、
じいちゃんはきっと懲りて無かったんだなぁ…
もう亡くなっちゃったけどちん毛を金髪にしたり、味噌汁用の乾燥ワカメをおや
つに食べてワカメが胃の中で膨らみ黒いゲロを吐いたり…愉快な人だった。

『第692話逃がしてしまった神』へのコメント

名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2006/12/07(木) 12:36:00 ID：3b179ee08

これはシリーズ第一弾かな？
名前:　投稿日：2006/12/09(土) 03:54:00 ID：5cf51bb3b

実に可愛らしい
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2007/05/10(木) 03:17:00 ID：466f674a2

じいちゃんｶﾜﾕｽｗ他のシリーズ？の話も読みたい♪
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2008/09/23(火) 21:47:00 ID：4a2fe0a41

ワカメｗｗ
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2008/10/08(水) 00:20:00 ID：afc257455

喜一じいちゃんシリーズ、こういう話好きです。もっと読ませて欲しかった。
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2008/11/07(金) 14:23:00 ID：0dd5b0e86

喜一に惚れた俺がいる
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2008/11/27(木) 07:18:00 ID：a7e6336a8

ファンキーな爺さんだな。笛の話は不思議で面白い
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2009/03/14(土) 04:02:00 ID：38ba51a29

いいね！この爺さん。まるで両津家。
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2009/05/14(木) 00:30:00 ID：4e8126eec

ちん毛金髪w
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2009/06/30(火) 17:17:00 ID：b9d65b85d

じいちゃんｗｗｗチン毛とワカメ吹いたｗ
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2009/10/04(日) 06:18:00 ID：b63a13a11

「ゲロとかけて下駄ととく」　「その心は」　「どちらも下を向いてはくでしょう」
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2009/12/27(日) 22:00:00 ID：4529d689e

昔は自分以外の請け負うモノが多かった気がする…
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2010/06/30(水) 00:10:00 ID：785b8e8e3

メインの話よりもむしろラストの武勇伝が素敵すぎるｗｗ
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2011/02/19(土) 16:50:05 ID：dec06260f

>味噌汁用の乾燥ワカメをおやつに食べてワカメが胃の中で膨らみ
同じ失敗をやらかしてるじいちゃんにすごい親近感ｗｗｗ
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2011/07/10(日) 02:19:12 ID：6a396e672

新作が読みたい
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2011/07/14(木) 10:08:37 ID：76782bc97

最初からこの人は分かりにくい文を書いてたんだなぁ
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2015/04/06(月) 13:25:36 ID：c4344876a

MR.アンダー･ブロンド
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2015/06/12(金) 13:54:32 ID：6ef91956b

この文章が分かりにくいって方は、小さな蛇神様がいる世界とは違う次元にいるんだな。

『第692話 逃がしてしまった神』へのコメント

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