不可解・不思議体験まとめサイト【エニグマ】

第703話 オヤジ犬

710 :本当にあった怖い名無し[sage] :2006/01/17(火) 21:40:18 ID:+9jiz9Xn0
1/2
この話をするには、まず、家の間取りの説明しなくちゃいけない。
家のリビングは2階まで吹き抜けになっていて、
その吹き抜けに突き出すように、2階の私の部屋がある。
部屋の窓を開けて見下ろすと、1階のリビングが見える状態(うまく説明できない……)。

久しぶりの友人とメッセで盛り上がって、気づけば真夜中だった。
バカ話にゲラゲラ笑っていると、ふと、開けっ放しの窓の向こうから、
(冬は窓を開けておくと、空気の対流で、1階のあったかい空気が部屋に流れ込んでくる)
「ふわーあ」とため息のような声がした、気がした。

1階では母が寝ているが、もちろんリビングで寝てるわけないし、
その前にそれは男のため息のように聞こえた。
あれ? と思ったが、やっぱり少し薄気味悪かったんで、
再びメッセに集中することで忘れようとした。

711 :本当にあった怖い名無し[sage] :2006/01/17(火) 21:41:22 ID:+9jiz9Xn0
2/2
しかし数分後。
「はあー、よっこらしょっと」
今度はえらくはっきりと、こんな言葉が聞こえてきた。
中年の親父のかったるそうな声。

やっべー、怖い。
幽霊でも怖いけど、生きてる人間だったらもっと怖い。
それで、恐る恐る立ち上がり、声の正体を確認すべく、リビングを覗き込んでみた。

私の目に映ったのは、我が家のボーダーコリー(もうすぐ2歳、オス)が
気持ちよさそうにソファで眠っている姿だった。
しかも、「たった今寝返り打ちましたよ」みたいな姿勢で。

飼い主バカな私は、今でも愛犬がついうっかり人間語で話しちまったんだと信じている。
……でも、1歳にしてはずいぶん親父くさい声で話すな、愛犬よ。

モバイルバージョンを終了