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第824話 祖母の手

768 :本当にあった怖い名無し[sage] :2006/07/02(日) 05:04:08 ID:sFzCg+o3O
母方の祖母が亡くなった時、自宅にいた私は突然急激な眠気に襲われ、床に膝をついたままベッドに俯せに倒れこんだ。
その時誰かがそっと私の手を握った。小さくて冷たい手だった。その時点では全く何の根拠もないことだったのに、(祖母の危篤はまだ知らされていなかった)唐突に、ああ、今おばあちゃんが死んだな、と思った。
その後やはり知らせが届き、田舎に駆け付けた。遺体と対面した時、そっと手を握ってみた。同じ感触だった。
778 :768続き[sage] :2006/07/02(日) 20:06:10 ID:sFzCg+o3O
特にリクエストされてはいないがちょっとだけ不思議な続きがあるので書く。
田舎から祖母が亡くなったという連絡があり、とりあえず急行で二時間ほどの田舎に向かい、駅から入院していた病院にタクシーで向かったが、病院名を告げると運転手さんが
「昨日もその病院に行きましたよ。さっきアメリカから着いたばかりだという女性を乗せたんです」と言った。
それは間違いなく西海岸に住んでいる叔母だった。叔母も全く普通の里帰りのつもりで帰ってきて祖母の臨終に偶然間に合ったのだった。
タクシーも駅前にずらっと並んでいる中の一台で、特に台数が少ない訳でもない。不思議な縁もあるね、と話していると運転手さんは
「こういう仕事していると割とあるんですよ」
と普通に言っていた。
人が亡くなるとはつくづく不思議なことだと思う。
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