- 412 :本当にあった怖い名無し :2006/09/25(月) 14:32:08 ID:kChTR9ym0
- ≫303・344
>286は私です。この話は結構まわりのみんなにしちゃっているので、
あんまり詳しくは話したくないのですが、まあ、ざっとこういうわけです。幼稚園の時、園長先生に私だけ職員室に呼ばれ、園長先生のホンの気まぐれで、
素敵な≪とある物≫を私にくれた。
(それは、けして高価な物などではないが、園長先生の手作りで、世界にたった一つだけの物であった。)
私は有頂天になったが、同時にものすごく不安になった。
というのも、当時、同級生で、とてもイジワルで、お金持ちのくせに、
他の子の物(可愛いハンカチとか、レターセットとか)を気に入れば何でも欲しがる子がいたのだ。
それを自分にくれとしつこくとねだったり、また、難癖つけて、それは自分の物だからよこせとか言い張ったり…。
もし徴発できなければ、その子の私物をボロボロにしたり、先生にあることない事吹聴したり、
男子を味方に付けては蹴ったり殴ったりする子がいたのだ。
「ヤバイ、見つかったら取り上げられる、どうしよう。」と悩み、私は、
誰にも気付かれないようコッソリと、自分のロッカーに近寄り、クレヨンの箱の中の、
透明なケースの下に、すかさずそれを隠した。しかし、放課後、その隠した≪とある物≫を取りにロッカーへ行ったところ、
クレヨンの箱の下敷きの下からは、その≪とある物≫は、煙のように消えていた。
とっさにそのイジワル少女が盗んだのかなとも思ったが、その可能性はない。
このことは、誰も知らない筈であったから。 - 413 :本当にあった怖い名無し :2006/09/25(月) 14:33:06 ID:kChTR9ym0
- その≪とある物≫は、その日の夜、全く関係の無い、ひょんな所から見つかった。
なんと、父親の背広の内ポッケからひょこっと出てきたのだ。
父親も、いつ、どうしてその≪とある物≫がポッケに入っていたのかさえわからないが、
なにぶん「とても些細な、他愛もない物」である事から、大して気にも留めなかったらしい。
(ちなみに、父の会社と幼稚園は正反対の距離で、とても離れている。)
こういうのは子供のお土産にピッタリだと思ったのか、まるでマジシャンのように
それをポッケから出して、私にくれた。あれは、私の「見つかったら取り上げられる、どうしよう。」という念(?)が、
その≪とある物≫を、世界一安全な場所=父の背広のポッケの中、にテレポートさせたのかな…
と思っています。