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第909話 テレポーテーション

473 :本当にあった怖い名無し[sage] :2006/11/28(火) 18:24:36 ID:S5B3T8DF0
小さい頃(小学校に上がる前くらいだったかな?)爺さんの車で買い物から帰宅した。

家は小さな民宿をやっていたんだが、海沿いの崖の上に立っており、駐車場の少し後ろは崖になっていた。
自分はというと、爺さんに買ってもらった玩具にご満悦で車の中で遊んでいた。

爺さんは、まだ車で出かける用事があったらしく「すぐ戻ってくるから、車で待ってなさい」と言って、エンジンを掛けたまま車から降りた。
自分は(またドライブにいけると)ご満悦で「分った。」と返事をして車で遊んでいた。

少しして気がつくと、何故か自分は家の裏の倉庫(料理用の食材倉庫)で遊んでいた。
(ここが全く記憶に無い。何時移動したのか。何時車から降りたのか?)

そして家の前の駐車場が騒がしい。
「○○(自分の名前)が死んだー!!」と大人達が叫んでいる。
爺さんが「自分のせいだ!!」と泣いている。

訳が分らず「どうしたの?」と出て行くと、大人達が目を丸くして驚いていた。

何でも、車のサイドを引き忘れていたらしく、車が崖から転落したらしい。
崖の下を覗き込むと、爺さんの車がひしゃげて煙を吹いていた。

凄い音がして大人達が気がついたらしく、車に自分が乗っていたので、死んだと思ったらしい。

只不思議なのは、倉庫には食材が置いてあるので、店の中を通らないと行けない。
カウンターの裏なので、カウンターをくぐらなければならず、そこでは爺さんと親父が話していた。
だが、誰も自分が倉庫に行くのを見ていない。(と言うか、見ていたら車に乗っていないのは分る。)

今でも、崖の下の車だけは繊細に覚えている。

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