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第1022話 いなくなった一人

518 :本当にあった怖い名無し[sage] :2007/09/10(月) 02:55:34 ID:+mSf/nY60
怖いとかじゃないんだけど、昔、不思議というか、不可解な体験をした。

昔、俺を含めて、友人と4人でと車で夜、心霊スポットめぐりに行った。
車は俺が出し、運転も俺が行った。
行く途中で、コンビニでジュースとかお菓子を買って、遠足気分だった。
目的地は、バイパスができてからは使われていない廃トンネルで、地元じゃ一部で有名な
心霊スポットであり、まあ、よくありがちで幽霊が出るとか、噂があった。
ただ、気になったのは、聞く人によって、その幽霊が女の人だったり、子供だったり、男だったりと
形態が異なっていたことだ。
しかし、当時、俺自身そういうのは信じていなかったので、その時は何も気にしなかった。

で、目的地に着いて、トンネルの中を散策した。トンネル内部は真っ暗で、懐中電灯で照らすと、ぼろぼろの壁
の様子などがわかるだけだった。
いくらか散策して、飽きてきた頃、連れの一人が
「うわっ!!」
と声を張り上げ、入り口に向かってダッシュし始めた。
残りもびびって、そいつにつられ、ダッシュし、車に乗り込んだ。
何があったのか聞くと、そいつが言うには
「何か黒い人影っぽいのがみえた」
ということだった。
ほんとかよと思いつつ、俺は慌てて車を出した。

結局、それだけで、そのトンネルで、特にはっきりと幽霊だとか、何か起きたとかは無かったが、
ちょっと怖かったけど、まあいい体験ができたかな。

519 :本当にあった怖い名無し[sage] :2007/09/10(月) 02:56:33 ID:+mSf/nY60
と、思いながら車を運転していたが、あることに気づいた。
連れの3人が皆、後部座席に座っていたことだ。
「お前ら、何で誰も助手席に座らないんだよ。」
と聞くと、3人とも
「はあ?もともと後ろに座ってたぞ。」
といった。
俺は、「そうだっけ。」と思いながら、また運転に集中した。
いくらかして、助手席を見るとホルダーに飲みかけのペットボトルが入ってることに気づいた。
「じゃあ、あれは誰のだよ。」
と聞くと、3人とも知らない、自分のものではないということだった。
もちろん俺のでもない。
コンビニのレシートを3人に調べてもらったところ、俺達は確かにそのジュースを買っていた。
でも、誰も買った記憶が無いという。もちろん俺含めて。
じゃあこれは誰のなんだ?
皆無言になり、そのまま家に帰った。
結局、その後は特に俺自身にも、連れにも何も異常なことは起きず平凡に暮らしている。
520 :本当にあった怖い名無し[sage] :2007/09/10(月) 02:57:35 ID:+mSf/nY60
しかし、俺はその時の事が気にかかって、たびたびその事を思い出しては、いろいろ考えていた。
まず、あの心霊スポットだ。今となって感じることだが、あのトンネルに入る前まで、「4人」ではなく、
「5人」いたような気がする。―気がする?いや俺達はいつも5人で・・・
しかし、あの、トンネルから出た時に、なぜか分からないが、「4人」になってしまった。
確証はないが、そう考えることで、俺の中ですっきりする。
そして、トンネルの中で連れが見たという黒い影、あれはもしかして・・・
さらに、あのトンネルについての噂話も気になる。
見る人によって幽霊の形態が異なる?
いや、幽霊とかではない、かれらは、もともとこの世に存在した・・・

思い過ごしと言われれば、そうかも知れないが、あの不可解な経験について
10年近くたった今でもたびたび考えてしまう。

長文すまん

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