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第1254話 ばーちゃんの部屋

959 :本当にあった怖い名無し[sage] :2008/10/29(水) 23:40:05 ID:yeF/lZiZ0
幼い頃の不思議な話を聞いて頂けるのはここですか(´・ω・`)

たぶん俺が小学1年生とかそこらの夏、一つ上の姉と一緒に近所に住む祖父母宅へ泊まりに行ってた時のこと。
当時の俺はじーちゃんっ子で、泊まりの日には1階の和室でじーちゃんと布団並べて寝んのがお決まりだったんだけど、
その日は姉と寝床交換しようとかいう話になって、初めて2階のばーちゃんの自室で寝た。

深夜、ふと目が覚めた。
ばーちゃんの部屋には南側に窓がある。その日はクーラーを付けるほどの暑さじゃなかったから、そこを網戸にして風を通しつつ寝てた。
窓のある壁から少し離れた所に壁と平行にばーちゃんの布団。そのまた奥に俺の布団。枕は窓に向かって左、つまり東向きだった。
拙い文章で申し訳ない。伝わるかなこの位置関係。
とにかく目が覚めて、ぼんやりしながら左側にあるその窓に自然と目が行った。
真っ暗な部屋の中で月明かりを拾うそこだけが明るかったから。

そんで俺、ドキッというか、ヒヤッとした。ばーちゃんが寝てる布団の向こう、窓際に誰か立ってんの。それも1人じゃなくて、何人も。
逆光で顔とかは全然見えなくてシルエットのみだったけど、最初に認識した人影は、窓の桟の高さから考えて140cm前後かな。
正確かどうかは置いといて、大人の体格ではなかったのは確か。
その他の影も、最初の…もう140で良いか、140より高かったり低かったりとバラつきはあったものの、やっぱり大人ではない。
一人抜きん出て高いのや、もっとちっこい幼児みたいな影を抱っこっていうかおんぶ?してた奴もいた。
俺はフリーズ状態のまま、咄嗟に鬼が来たんだって思った。角があるんだよね、皆。
角は1本だったり2本だったり。個々の詳細な記憶はないけど、140は2本、一番背の高い奴の角は一本だった。
顔は見えないし、何をしてくるでもないんだけど、揃ってじっとこっちを見ているようだった。
怖くなった俺は解凍後すぐさま布団に潜って目を瞑ってた。

960 :本当にあった怖い名無し[sage] :2008/10/29(水) 23:42:59 ID:yeF/lZiZ0
その後、多分俺は寝てしまったんだと思う。気付いたら朝だった。

起きてばーちゃんに、家に帰って母親にその話をしたんだけど、当然ながら夢だって言われた。
俺の住む町…っていうかこの県全体かな?鬼の伝承が多い土地で、この辺りでも以前は毎年8月に鬼祭りってのをやってたんだ。
アンタきっとそれを楽しみにしてたからそんな夢を見たんだよって。
俺が見た鬼とその祭りや町の資料で見る仮装の鬼とは明らかに違ってたんだけど、子どもながらに信じて貰えないのは分かったし、
夢だ夢だと言われれば自分でもそうだったような感じがしてきて、次第に気にしないようになった。
ただ、この町に住んでると駅とか公民館とか学校とか、それこそ祖父母の家でだって、鬼の面が飾られてるのを見かけるから、
その度にあの鬼たちのこと思い出して、忘れられないままなんだ。

余談だけど、そのことがあって暫くの間はばーちゃんの部屋に近づかなかった。
けどまたある日同じように寝床を交換することになって、渋々同じ場所で寝た。
その日の夢の中でまた同じように目が覚めて、隣にばーちゃんがいないことと、外がいやに明るいことに気付いた。
不思議に思って起き上がると、廊下にばーちゃんがいるのが見えた。じっと微動だにせず、窓の外を見てる。
鬼を見た窓にはカーテンがかかっていたため外の様子は見えず、ばーちゃんに近づいて目線を追った。
廊下から見える裏手には田んぼ、その向こうに姉の同級生で俺もたまに遊んで貰ってたRちゃんの家があるんだが、
そのRちゃんの家が真っ黒な煙を上げて燃えてた。
朝目が覚めて、窓からRちゃん家の方を見てみたが異常はなく、今度はただの夢だったんだ、鬼の時もそうだったんかなって思った。
だからその時はすぐに親に話をしたりもせず、少し後に何かの拍子でふと思い出し、母親に話してみた。
そしたら母親が、「そんな大きな火事とかじゃないけどRちゃん家、ついこないだ小火騒ぎがあったんだよ」って。
実際その小火を見たんじゃないから実感が沸かず、少し驚いた程度だったけど、気味は悪くて、以来あの部屋では寝なくなった。

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