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第1275話 友人の死

360 :本当にあった怖い名無し :2008/11/20(木) 18:02:12 ID:hHyvpH5c0
これは随分前、昭和五十三年の七月頃の話です。
その頃私は、愛知県で、高校を出て予備校生活を送っていました。
ある夜のことでした。布団で寝ていた私は突然「だれか、自分の知り合いが死んだんだ…」という思いを感じて、
目を覚ましました。人が聞いたら笑うかもしれませんが、何の脈絡もなく、突然にそう感じて暗闇で目をさましたのです。

他人に「それはあんたが夢を見たんじゃないの…」とか「あんた頭がだいじょうぶなの…」とか言われても反論はでません。
合理的な説明などすることは不可能だからです。でもそのときは、確信として心の中に現れたのです。

翌朝のことです。私は、半ば確信めいた気持ちを持って朝刊を開きました。
はたして、紙面にはこのような記事が載っていました。
つい数ヶ月前に一緒に卒業式に出席した仲間が三人、夜、岐阜県の中津川で、運転
していた車が対向車線に飛び出して、直進してきたトラックと正面衝突したのです。
三人とも即死でした。

私は、新聞を手にしたまま呆然と断ち尽くしました。
三人とも十八か十九歳の年齢でした。まだ高校を卒業して就職したばかりでした。
三人が免許を取って車を買って、会社の帰りに仲の良かった仲間を誘って夜のドライブに出たのでしょう。
警察は、慣れない深夜ドライブからくる居眠り運転が原因だろうとしていました。
 
まだこれから仕事を覚えて、これから成人式を迎えて、結婚して、家庭を持って…
本当に人生のスタートラインに立ったばかりの年齢で彼らは、この世を旅立たねばならなかったのです。
多分、なにか伝えたかったことがあったのかもしれませんね。
彼らが生きたくとも生きることが出来なかったという事実を、今、かみ締めたいと思っています。
 
これが私が昔に体験したことです。

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