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第1295話 レインボーロード

958 :本当にあった怖い名無し[sage] :2008/12/13(土) 01:05:55 ID:YPt+KYZF0
思い出したから書いてみた。今でも不思議。長いので分けます

あれは今からちょうど6年前、忘れもしない高校1年生の夏の終わりのある日のことでした。
自転車で自宅から10km離れている学校に友達と通っていた僕は、春の頃よりだいぶ道に慣れ、
当初1時間と少しかかっていた時間も1時間を切れるようになっていました。

しかし、体感的にはそれほど早くなったとは思えませんでした。というのも10kmのうち8kmは一直線の道路だからです。
田舎道をきれいに舗装したという感じで、夏の暑い日は陽炎がいつまでも見えていました。

そして夏休みも終わりに近づいてきたある日、部活が終わり、時計は20時を回っていたでしょうか。真っ暗になるまで遊んでから
僕は友達と2人で帰りました。その日は自転車が無かったので、友達の荷台に乗せてもらって2人乗りで帰りました。

僕らはさっきまではしゃいでいた余韻が消えなかったのか「いつもと違う道から帰ろう」と決め、方向は変えずに適当な細道を見つけ、自転車を走らせました。
そこは古い住宅地の間の道であまり広くなく、くねくねした道でした。街灯も点々としていて暗く、荷台でぼーっとしていた僕はどこを走っているのかすぐわからなくなりました。
また少し経つと今度は街灯がほとんどない、少し寂しい道になりました。夏の夜特有のじめっとしたにおいが鼻につきました。ここでは自転車の小さいライトだけが頼りでした。

959 :本当にあった怖い名無し[sage] :2008/12/13(土) 01:06:34 ID:YPt+KYZF0
僕「ここ暗いねぇ」
友達「今どこらへんなんだろうね」

同じ事を考えていました。
しかしまだ学校を出てから10分も経っていません。
((2人乗りだし道はわからないし、今日は時間かかるな…親に怒られる…))
そう考えていた時、後ろで立ち乗りしていた僕は自宅近くの公園内にある大きな水銀灯のあかりを見つけました。
いつもの道から帰る時もそれが見えたら「あぁ、もうすぐだ」なんて思って目印にしていたんですが、その日はあまりにも早く視界に入ってきました。

僕「ねぇ、あれ○○公園じゃない?」
友達「えっ?あれ?ホントだ。もう着いた?」
僕「そうだよね。でもまだ10分ちょいしか経ってないんだけど…」
友達「ウソ…!?」

学校から出る時に僕は時間を確認しました。たしかにまだ20時で、時計は全然進んでないんです。
街をひとつ越えるので最初はその街の公園かとも思いました。

そうして友達と「?」になりながら相変わらず暗い道を走っていると、急にいつも通る直線道路にある暗い街灯も視界に入ってきました。横道に出たようです。
見慣れた景色に安心した僕らはホッとしました。正直真っ暗い道で少し怖かったのです。

結局僕らは2人乗りだったにも関わらず、15分とかからずに帰ってきてしまいました。
そして次の日、もう一度通ってみようとしたんですがなぜかうまく思い出せず、周囲を探してはみたものの、2人とも道を見つけることはできませんでした。

しかしそれから特に深く追及することもなく、その道を「レインボーロード」と名付け、とにかく不思議な体験をした思い出として胸にしまいました。
でも、今思うとあの時通った道は本当になんだったのか。途中、もしかして時空が歪んでるところに入って飛ばされてしまったのだろうか。
縁があって同じ大学に進んだその友達とは6年経った今でも思い返して話題にするんですが、真相はつかめていません。。

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