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第1328話 同じ夢の中で

947 :1/2[sage] :2009/01/27(火) 17:17:05 ID:aklSWrY10
長いんで2つに分けます。
前にもどこかで書き込んだかも知れません。
長さと不思議さは比例しないと思いながら読んで下さい。。。

小学校3,4年の頃、夢の中でこれは夢だと気付いた。
何回か経験していたので、自分の場合は
首に力を入れるイメージをすると夢から覚めれるっというのを知っていた。
けどその時はなんとなく、もうちょっと夢の中で遊ぼうと思った。
立っていた場所はアスファルトの道の上で、夢の中をテクテクと歩き始めた。

しばらく歩くとトラス構造の橋(柱を三角形に組んである橋)があった。
渡り終えたら景色が一変して、江戸時代の長屋みたいなところに着いた。
そこも通り過ぎようとしたら家が途切れて、コの字型にへこんでいる一画があった。
覗いたら、町人風の人達20人くらいが半円形でこちらを見ていた。
中心に痩せてて長い髭生やして杖を持った爺さんがいた。
俺はなんとなくその爺さんに寄っていったら、その爺さんも近寄ってきて、
「覚めなくなってるじゃろ。これを持って行ってばらまけ。」と巾着袋を渡された。
はっと気付いて、首に力を入れてみたが確かに目が覚めない。
焦り始めて、袋の中を見ると、白と金が混じった砂のようなものが入っていた。
しかし、それでもなんとなく夢から覚めたくない。
「早くばらまけ。」と爺さんに促されたが、
焦りとなぜか夢から覚めたくない葛藤があった。
ちらりと右の方をみると自転車が置いてあるのに気付いた。
それに飛び乗って長屋から逃げ出した。
しばら自転車で走ると先が崖になっている場所に出て、
そこに、別に親しいわけでも無い違うクラスの女の子(Sとします)が立っていた。
Sがニコニコ笑いながら「早く捲いた方がいいよ。」と言ったので、
しぶしぶ爺さんに貰った粉を袋から掴んで目の前に捲いたら、パッと目が覚めた。

寝汗をかいていて、やたらリアルに感じられたのを覚えている。

948 :本当にあった怖い名無し[sage] :2009/01/27(火) 17:20:31 ID:aklSWrY10
Sとは高校の時に同じクラスになって、ちょいちょいと喋るようになった。
男勝りだけど気さくな子で、クラスでは女の子のリーダー的な存在だった。
たまに夢のことを思い出したが、特別親しくなることもなく高校生活も終わり、
俺は就職してSは短大生になった。

5,6年経った頃、高校のクラス会をやるお知らせが来た。
行こうかどうしようか迷っていたが結局行くことにした。
会場にはSもいた。
思い出話に花が咲き、みんな元いた席から離れて、
思い思いの席に座って肩を抱きあったり、ド付き合ったりしていた。
ふと俺の前にSが座り「元気だった?」と明るい調子で喋ってくる。
俺も軽い調子で応えて世間話を始めた。
お互いの話しが途切れたとき、
Sが「ちょっと変な話ししていい?」と言ってきた。
「いいよ。なに?」と俺が頷くと、
「私、小学校の頃、夢の中で夢って気付いてさ。
 でも覚め方が分からなくて、夢の中を長い間歩いて泣きそうになってたら、
 知らない爺さんが出てきて『向こうに行け』って言われたの。
 指を指す方に進んだら夢の中にアンタが出てきて、
 アンタが私の方に砂をまいたら突然目が覚めたの。
 あの夢、ほんとに印象に残ってるのよねえ。」
一気に酔いが醒めた。
けど、こんな場所で俺の夢の話しをして、色々と夢について話し合う気にもなれず、
「へえ。不思議な話やねえ。」と
よくある怖い話に相づちを打つような感じで答えた。
色々と軽口を叩いて話題をそらして、また別の世間話にずらしていった。

その後Sとは会うこともないが、今でもあの夢はなんだったんだろうと思うときがある。

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