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第1347話 エイ男

550 :本当にあった怖い名無し[sage] :2009/02/11(水) 23:04:41 ID:VsZDVfVv0
大学に通うために3年ぐらい前まで埼玉のアパートで一人暮らししてたんだが
生まれた時からずっと都心のゴミゴミした所に住んでいたせいか、
ちょっとした片田舎がものすごい新鮮だった

大学もろくに行かずに毎日自然を楽しんだり夜中ジョギングしたり
親の仕送りで好きなもの買ったり、とにかく好き勝手やってたんだ
悪いことしているなあと思っていたが、毎日が楽しくてしょうがなかった
体中の毒素が抜けていくような感覚だ

ある真夏の日に、いつものようになんの目的も無しに自転車で川沿いの道を気分良く走っていると
強い陽射しがとろけるぐらいに気持ちよくて、気を失いそうになった
ハッとして自転車を止めると、周りにいた車や人が全部消え、セミの鳴声まで消えていた

どうしたんだろうと周囲を見渡していると、ずっと続く道の先に、エイみたいな形の頭をした奴が立っていた
恐る恐るゆっくりと近づいていくと、子供がよく着ているような感じの半そで半ズボン姿だということが分かった
遠くからしばらく眺めていると、本格的に恐ろしくなってきて次の瞬間必死でUターン、全速力で逃げた
近所の病院にさしかかり、その角を曲がった瞬間ブラックアウト
気付いたときには自転車にまたがったまま、全然別の場所にいた

周りには車も人もいて普通の状態に戻った感じが分かったが、真昼間だったはずなのに空は夕焼け
場所もわからず、さまよったあげく「緑花木センター」というのを見つけて場所を把握
行ったことのない方向だっただけで、アパートのある地域からそう離れていなかった
幸い最寄駅までの看板があったので、無事帰宅できたのだが本当になにがなんだかわからなかった
本当に不気味な体験だ

これの影響かどうかはわからないが、
その後俺には
摂食障害→欝発症→入院→大学を中退→家半壊(基礎のコンクリに欠陥)→両親離婚→いとこ死亡
と色々な災難が降りかかった
今はまあ落ち着いて平穏な日々を過ごしているが、色々と酷い目にあったよ

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