第1416話 夜店

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472 :本当にあった怖い名無し[sage] :2009/05/04(月) 23:49:15 ID:sffqQe3f0
(1/2)
子供の頃の記憶です。

小学校に上がるか上がらない位の頃だから、もう30数年前のこと。
母親の同窓会にまだ小さかった私と妹も着いて行くことになりました。
場所が遠かったのか一泊しました。当時の私にとっては小旅行です。
一晩ですが父親と離れる寂しさを覚えています。

夕食後、近くでお祭りがあるというので三人で出掛けました。
小さな神社の境内に夜店が出ており、人手も結構あり賑やかでした。
金魚すくいやヨーヨー釣りなんかをさせて貰ったような記憶があります。

居たのは恐らく数十分。
まだ遅い時間では無かったと思いますが、割とすぐ戻りました。
母親にとっては長居する程のお祭りではなかったのでしょうか。

旅館に戻ると母親がお風呂に行くといいます。
私は子供ながらにお祭りや夜店の雰囲気が楽しくて、
もう一度勝手に行ってやろうと思い「部屋で待ってる」と言いました。
母親と妹がお風呂に行った少し後、私は部屋を出て神社に向かいました。
幼い子供が一人で歩くには暗い道のりだったと思いますが、
旅館を出て角を曲がると奥に神社がある、といった程度の距離でした。
神社のその一角だけ明るくて、ほっとした気持ちになりながら向かいました。

473 :本当にあった怖い名無し[sage] :2009/05/04(月) 23:52:11 ID:sffqQe3f0
(2/2)
心を弾ませて再び神社に足を踏み入れました。
夜店にはまだ煌々と明かりが灯っており、配置も変わってないのですが、
さっきとは何かが違うのです。
判らずしばらくウロウロと歩いたと思います。
そして気がつきました。
人が誰も居ないんです。

夜店のおっちゃんも祭りに参加してた人も誰もが一切居ませんでした。
楽しげな喧騒は消えて静寂だけがそこにありました。
昔の事ですがここだけは映像として鮮明に覚えています。

急に怖くなった私は急ぎ足で旅館に向かいました。
背後からあの静寂が私を飲み込んでしまうんじゃないかという
恐怖心に襲われつつ、部屋に入ると母親と妹は戻っていました。
とてつもない安心感に包まれた所でこの記憶は終わります。

母親にこの時のことを聞くと、同窓会があったことや旅館に三人で
泊まったことは覚えているのですが、お祭りのことは覚えておらず、
また肝心な場所も全く出てきません。
遠い昔の記憶でした。

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『第1416話 夜店』へのコメント

  1. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2010/03/14(日) 21:52:00 ID:e643f1557

    雄一

  2. 名前:たまむー 投稿日:2010/03/14(日) 22:00:00 ID:1f11f4453

    イイ!

  3. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2010/07/09(金) 15:11:00 ID:6b595f349

    祭りは既に終わって香具師の皆さんは本堂かどっかで休憩でもしていたのでは?

  4. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2011/03/03(木) 00:43:39 ID:76a0a3084

    何か想い出したくない辛い事でもあったんじゃネ?
    母親が不倫相手と逢引きしてるとこ目撃したもんだから、脳内妄想炸裂で逃避時空を創り出したとか…
    >一晩ですが父親と離れる寂しさを覚えています。
    この一行がキニナル。

  5. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2011/08/02(火) 09:51:57 ID:41c4a0d95

    そう解釈するとなんだか合点が行く部分が多いようにも思える。
    親が同窓会や旅館の事を覚えてる割には場所がわからないっていうのも
    いざ行かれでもして何か思い出されたら困る、と思って隠してるとかね。

  6. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2013/07/31(水) 01:16:00 ID:cc0b06d82

    不思議な雰囲気(好き!)で、恒川光太郎の小説を連想した。夜市とか。

  7. 名前: 投稿日:2014/06/09(月) 23:25:08 ID:aa4d13c01

    不倫相手と会うなら子供2人連れて行かんでしょう

  8. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2014/06/09(月) 23:47:15 ID:ec9a93aea

    小学生の頃に私は弟と二人、
    母親の運転する車で週に何回か
    “知らないおじさんの家”に連れて行かれました。

    私は凄く嫌だったのですが
    当時の母親は絶対的な存在で、
    「行かなきゃ御飯抜きだよ!」の
    言葉に逆らえませんでした。