- 489 :本当にあった怖い名無し :2009/05/05(火) 17:08:25 ID:xc/c+bcQ0
- 大学生の頃、スポンサーの母を連れて銀座へショッピングに出掛けました。
色々とお店を見て、ランチを食べ「さあ! 午後こそ買ってもらおう」と意気込んでいました。
冬のことで、その年買ったばかりの真っ赤なロングコートを着ていました。
本当に真っ赤でロング丈なので、郵便ポストに似ていて、母とは「今日ポスト着て行く?」のように『ポスト』と呼び合っていた程でした。
友人からも「目立つよね~」と言われ、得意気になっていました。エスカレーターを昇って、すぐ目の前にあるお店にひかれ入っていくと、ズラーッと洋服が並び、店の角に鏡がありました。
特別珍しいレイアウトではなく、さっと見渡して、鏡に自分の姿が映っていて「うんうん! ポスト似合ってる」と安心して、再び洋服を見始めるのです。そこで、少しの間の後、鏡の中から視線を感じたのです。
ギョッとして鏡に目を向けると…、私がこちらを見ている。(鏡なら当然)
でも何かが変。
鏡だと信じていた所に鏡は無く、私の『ポスト』に似た真っ赤なコートを着た、私に似た人が、やはり母親らしき人と歩いていたのです。彼女と母親もこちらを見てびっくりしている様子でした。
お互いにビックリしすぎて笑顔で通り過ぎることもできないくらいに顔が固まったまま、その場を離れました。
似た顔の人が似たような趣味でコートを選び、お店も時間も連れている人も似たような状況…、ということでしょうか?
でも、お互いの母親は似ていませんでした。ホッ。