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第1526話 祖父

442 :祖父 :2009/06/30(火) 01:42:09 ID:1BOc4NXmO
長いけど祖父の事書きます。私は昔から祖父が大好きだった。恰幅が良く無口な人だか、情に厚く優しい人だった。
その祖父が、脳梗塞で倒れ、3年間の闘病の末亡くなった。
亡くなる間際の祖父は、痩せこけていて、言葉も話せない状態だった。ただ…お見舞いに来た私を見ては嬉し涙を流し、帰る時は覚束ない言葉で『ありがとう』と言って涙を流してくれた。
そして祖父が亡くなる一週間前。ちょうど私はアパートを引っ越して、運悪く携帯も停まっていた。慌ただしかった為、親にも新住所を伝えておらず、私は祖父の死に目にも会えず葬儀にも出れなかった。
祖父の死を知った時、号泣し心の中で何度も祖父に謝った。すごく自分を悔いていた。
祖父を思い出しては泣く日々だった。
それから一年後位だった。その日は祖父の写真を見ながら泣き疲れて寝てしまった。
寝ていると、ドアを誰かがノックした。『どちら様?』と聞いても返事はない。用心深い私なのに、その時に限って確認せずにドアを開けた。そこには若い男性と祖母がいた。
その若い男性は真っ白な帽子に真っ白なスーツを着ていた。スーツは今風の物ではなく、昭和初期のようなレトロな物だった。年齢は20代くらい。
『おじいちゃん!』私は何故かその男性が祖父だと気づいた。若い頃の祖父の顔なんて写真でも見た事ないのに。
本当、不思議だけど…。
私は号泣しながら、その男性に『おじいちゃん、ごめんなさい!お葬式行けなくてごめんなさい』と何度も謝った。
443 :祖父 :2009/06/30(火) 01:44:08 ID:1BOc4NXmO
すると男性は『もう気にしてない。大丈夫だ。泣くな。おじいちゃんは、そろそろ逝くから、元気でな』と言って、私の頭をポンポンとして、すーっと歩いて消えていった。
ドアがバタンと閉まる音と共に私は目が覚めた。夢か…と思ったがドアの閉まる音が余りにもリアルで、いつもドア鍵を閉めているのに、その時だけ鍵が開いていた。
ちなみにその時一緒にいた祖母は今も健在だからか、姿は現在の姿で私に目も合わさず、言葉も発していなかった。後日、祖母にその事を話し祖父の若い頃の写真を見せてもらった。30代の頃の写真だったが、あの若い男性と一緒の顔だった。
祖母は『死んだ人の魂は一番幸せだった頃の姿に戻るって聞いた事あるからね。あんたが泣いてばかりだから来たんだよ』と言っていた。

夢オチかよって言われるかもだけど、今でも鮮明に覚えている出来事です。

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